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さん (98zj7wdb)2024/9/15 00:50 (No.5491)削除
【Superanda omnis fortuna ferendo est.】









「────ラテン語ですか?」


『そうですよ、よく分かりましたねェ。』


「いえ、古文はよく本で見ていたので…。」


『そうですか。まあ、あっしの弟なので矢張り惹かれるものは同じって所ですかね〜??』


「古文と言っても、兄さんがくれた本を読んだですよぉ。」


『おや!あの本達をしっかり読んでいるなんて、我が弟があっしに続いて博識になるのが目に見えますね〜!』


「兄さん…、別に俺は博識になりたくは無いよ。」


『断られてしまいやした…』


「兄さんは好きなラテン語とか、無いんですか?」


『勿論ありますよ。』


〝Fac, quod rectum est, dic, quod verum est.〟

『〝正しいことを為せ、真の事を言え〟』



『どれも良い言葉であっしは一つには絞れませんが…、あゝ、でも一番を決めるとすれば…』


「『〝我思う、故に我あり〟』」


『おや…』


「兄さんの好きな言葉なら一瞬でわかりますよ。なんてったって俺は兄さんの双子ですからね。」


『ふふ、貴方には全てお見通しってわけですね。じゃあ、貴方の服を勝手に使った事もお見通しって訳です。』


「それは初耳ですねェ、兄さん。ちょっと詳しく聞いても???」


『おや、ではあっしは逃げます。』

「あっ!!待てい!!」














いつの日か兄と語った古い言語の話。


今でも夢に見るのだ。

兄が朝起こしに来て、一緒に朝食をとり、司書長の仕事と守衛長の仕事をこなしながら同胞達と楽しく喋って、お茶会をし、友人達とも会い、他愛無い話を繰り返す、

そんな幻覚を見るんです。


此の夢は、幻覚はもう実現出来なくて、在りし日に他愛無い話をしていた同胞達が己に向ける視線は奇怪であり裏切り者を見る様な、そんな苦しい視線を寄越してくる。



もう同胞ではない、同僚でも無い、友人も居ない、

兄も居ない。



そんな兄に似た容姿はついこの前兄とは認めたく無い、形容し難い者により片眼を失明に追い込まれ、酷い火傷を負った。


酷い怪我を負い、同胞達に助けを求めたが、答えは案の定


無視だった。




酷く痛む火傷を布で抑えたまま自室に戻った。


冷蔵庫に入った保冷剤を布で包み、火傷した部分を冷やした。

温くなったら能力で冷やすを繰り返した後、矢張り火傷は痕になり、見えない視界に動揺したのは言うまでも無い。



「にい、さん……。なんで……」


割れた鏡に映る自分の姿は大好きな兄にそっくりだった。


火傷さえなければ、鏡の中の兄に会えたのに。




「なんて、醜いですよね。」


「……〝ne vivam si abis. 〟」


〝もし貴方が去っていくのなら、俺は生きていたくはない〟











ぽつりと口から溢れ出たラテン語。
酷く冷えた室内の隅に膝を抱えて座る。



ねえ兄さん、俺さ、司書になったんだよ

兄さん、俺ね、もう何も信じられないんだよ。

兄さん。


兄さん。


どうして置いていくんだよ。







「…置いて行くぐらいなら、殺してくれよ。」












力無く溢れ出た言葉は確かに己自身の本心であって偽りなんてなかった。

置いて行かれたなんて、認めたく無い。


だって昔からずっと、生まれてからずっと一緒だったのに。




置いて行かれるぐらいなら殺してくれよ。






置いて行くぐらいなら俺を双子って、弟だって呼ぶなよ。








俺はどうすりゃあよかったんですか。















仲間からは冷たい視線を向けられ


貴方には置いて行かれ


能力も扱えなくて


友人も貴方がいなくなってから一人一人変わっていき





最後に取り残されたのは俺だけ。













こんな惨虐極まりない世界という舞台に立っているソリスト


嗚呼、馬鹿みたいじゃないか。


観客はもう居ないのにさ。












その後は俺は激しい眠気に襲われた


相変わらず悪夢に魘されることは確定だ、


会えない人との平和なあの日を夢見てさ。








嗚呼、くそったれな世界におやすみなさい










【全ての運命は耐えることで克服されなければいけない】
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主催さん (98twtq9o)2024/9/15 00:05 (No.5487)削除
【ゆめのはなし】




(昔から、午睡に浸るのが好きだった。


とろとろと揺れる陽光に身を委ねて、ひそやかな風を浴びながら目を閉じて。
深い呼吸を繰り返しながら三つ数えたら、うつらうつらと蕩ける夢の中。

その感覚に興味を持って、早何千年。
本来アーキビストに睡眠は必要ないとはいえ、自分にとって午睡というのは、大切な習慣でもある。


けれど、たった一つ。
たった一つだけ、耐えられないこと。


眠れば当然、夢を見る。
頻度に差こそあるだろうが──生きる年月が長く、保持する記憶も多いせいだろうか。夢は割合高頻度で顔を出し、気まぐれに思い出の光を蘇らせた。


それが、耐えられない。
何度見ても、何度経験しても)


「………………はぁ…………」


(目が覚めて掌を見てみれば、ひどい冷や汗が滲んでいた。
窓ガラスに映る己の顔は、苦笑してしまうほど青褪めている。


夢を見れば、決まってあの日の夢を見る。
長い長い記憶の中で赤光を放つ、血濡れた記憶。あまりにも色濃い輪郭を伴って焼き付いた記憶は、自然、幾度も夢に見た。


凄惨な現場の前で、血がこぼれるほど拳を握り締めたことも。
ぽっかりと『本』の抜けた書庫の前で、呆然と佇み時間を過ごしたことも。
数えきれないほど自分の影を振り返ったことも。
塔の外を見つめ続けて、人影があるたびに期待を寄せては肩を落としたことも。
書庫管理を務めていたアーキビストが任を退いた日のことも。
罪なき彼女が傷つけられてしまった日のことも。
ある"双子"の弟のことも)


「█████」


(声ならぬ声を絞り出して、静かに立ち上がる。

自分の後をひそひそとついてくる影をぼんやりと眺めながら、螺旋階段に脚を踏み出した。
当てもなく歩きながら、ゆるく、歌を口ずさむ。たった一つ綺麗に歌える、遠いどこかの子守唄。

夢に爪を立てられて血を流す己が心を慰めるように、短い旋律を歌う。
歌が終わる頃、外で鳥が鳴いている声がした。


どれほど傷を負ったとしても、狂うことはできなかった。

バベルの管理者として、狂わないことを選んだ。
一人のアーキビストとして、狂わないことを選んだ。
『ミネルヴァ』として、狂わないことを選んだ。


ああ、それでも。
ああ、それでも!


────────友のために狂ってしまうことができたのならば、この心はどれほど軽かっただろう?)


「僕は────忌々しきあの男がこの塔から離反したその時、その場にいなかったんだ」

「彼が最後に語った言葉は、人伝に届いた」

「僕は彼がなぜ裏切ったのか知らない」

「僕は彼が何を思ったのか知らない」

「僕は彼がどんな顔をして裏切ったのか知らない」

「僕が彼の何を知っていた?」

「僕が彼の何を見ていた?」

「友人?友人だと?」


「────救えもしなかったくせに、図々しい!」


(烈火の如く燃えていた緑色の瞳が、次第、光を失ってゆく。

階下を覗いた。

先程まで自分の声だけを響かせていた螺旋階段には、誰の人影もありはしない。
夢に浮かされて傷の熱が溜まり過ぎてしまったら、こうする他に手立てはない。

全て全て言葉に変えて、誰もいないうちに投げ出してしまおう。
膿を吐き出すように、燻る悲嘆を搾り出すのだ。そうして空っぽになったら、きれいな言葉とあたたかい星の明かりを詰め込んで、きちんと蓋をしておこう。


詩文を詰め込んだ本を取り出して、窓に背中を預け、ずるずると座り込む。
答えなどあるはずがないとわかっていても、祈る他になかった。


ああどうか、今このひとときだけは。
管理者の役割を脱ぎ去って羽を休めることを、許してほしいと)
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さん (98y79v68)2024/9/14 22:02 (No.5478)削除
この世界は舞台であり、天におわそうが、地で這いつくばろうが世界という枠組みに位置するのであれば其処に住まう人の全ては役者でしかない。
今回起こったものはもう決して演じられないだろう唯一無二の至極の一幕。正義の元に示された名誉ある弾劾式。
主役は平凡でありながらも善性をその胸に宿した独りの可哀想なアーキビスト。観客は彼女を除いた全員の天高き者。
彼女は塔におわしながら卑劣にも本を盗み、バベルを裏切った者と内通することで塔の崩壊を目論んだいう罪を犯した。けれど彼女は無罪を強く主張した。
当たり前だ、罪人は自らの罪を認めはしない。実際に彼女自身はこれを荒唐無稽な冤罪であると信じていたからこそ確信をもって無罪を主張し、そのために行動に移した。
けれどそれこそ自らの疑惑を深めるもの。独りだけで悪魔の証明を成そうとするには余りにも弱いのだと気付かない愚か者であったのが運の尽き。
時計の針が何周も回転し続けた後、やっと都合の良い妄念から目が覚めた時には周囲には誰もいなくなってしまったのだとここでようやく気付く事が出来た。
かつての信頼という美しく価値あるものはあの日を乗り越えられず、そのまま砕け散って元に戻らない。そしてそれを修復する手段をこの時は誰も持ちえなかった。
そうすれば後に残るのは疑念、猜疑、疑惑、疑問、不安、落胆、半疑、欺瞞、峻険、疑懼、屈託、苦悩、疑弐、邪推、蛇影、疑義、沈痛、反感、憤慨、憂苦、懸念、危惧、憂慮、警戒、険阻、陰険、懐疑、怪訝、不審、嫌疑。
侮蔑、非難、冷評、軽蔑、睥睨、幻滅、蔑視、憐憫、憐笑、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪、嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪嫌悪!
本当に読み進めるのが嫌になりそうな量。けれどいくら言葉を書き連ねてもその全ては彼女の善性を否定しており、悪意で今にも溺れそうな彼女を案じる視線は残念な事に見つける事が出来なかった。
だって長い物には巻かれろというのが世の理。皆がそう思うのなら、自らよりも強い立場にいる者がそう主張するのであれば、それが正しいのだと思うのだろう?……え、もしそれが間違っていたらって?その責任は一人が背負うよりもずっと軽い。だから安心して身を委ねて。”優しい”彼女ならその時に謝れば許してくれる。

___汝の罪を告白しろ。
いいえ、私に罪はありません。
___バベルを憎んでいたのか?
私はそのような邪な思いを抱く事もそのために行動した事もありません。
___我々を裏切ったのか?
いいえ、いいえ!裏切ったのは、……うらぎった、のは

彼女は口を淀み、これ以上言葉を紡げなかった。それが彼女自身を追い詰めると理解していたのに。
最初から結末が決まっていたのだと信じたくなかった。まだ希望があると願っていた。か細い糸でも再び天に昇る事が出来ると祈っていた。
だがその一本は呆気なく、簡単に断ち切られた。いいや、最初から彼女の妄想でありそんなものは存在しなかったのだろう。
嗚呼、本当に哀れな子。
憎しみを抱きたくない。刃を向けたくない。けれど二度と癒えない傷と、この身を黒く焦がす想いをどうすれば良い?どうすればこれ以上罪を重ねずに済む?
ねえ早く。ナイフを握るこの手が強くなる前に。全身の震えが消える前に。同胞に相まみえる前に。彼等を傷つける前に。私が狂う、その前に。































ならば、その方法は分かっているでしょう?





















































傷を負っても貴方の良心が痛まない人が、ちょうど今、そこに



































さあ、選んで。絶対に迷わないで。決して振り返らないで。
























































憶えているからこそ、苦しいのだろう?

















































心臓が急かすように酷く速く叩きつける。何時もとは違って直ぐに瞼を無理矢理にでもこじ開けたいと思う目覚めでありまともに起き上がれずにそのまま地面にへたり込んだ。
アーキビストは基本睡眠を必要としない。けれど私は現実を見たくない故に眼を閉じていたいと思う機会が多く、こうやって視界を塞いで無意味に時間を消費していると何故だか全く覚えのない光景が浮かんで来る事があった。
「あれは、ゆめ?」
いいや、幻想ではない。アレは再上映だ。かつての塔であった一人よがりの悲劇。運命の日によって生まれた醜悪な癌の切除。
「あれは、さいばんで、ばつで、だんざいで、きげきで、ごらくで………わたしの、わたしだけの、ひげきでしかなかった。」
____罪を認めるか?
否定しなければ。
____もう苦しみたく無いだろう?
私は裏切っていないと言わなければ。
____正直に話してくれれば君の処分は軽くなる。だから、本当の事を教えて欲しい。
それを肯定してしまえば、私は、本当に。
「っ、」
頭が、酷くいたい。なにもうまく、かんがえられない。
その先に向かうなと、ガンガンと警鐘が直接鳴り響いて脳を揺さぶるせいで苦しくて、痛くて、辛いの。
無知とは罪ではあるが、幸福でいられる。知らないと目を背け続ければこれ以上傷つかずに済む。
傍に置いてあった手帳を、ずっと抱えていたたった一つの道標を、思わず破く勢いでページを開いた。
「”No abras la caja de Pandora /パンドラの匣は開けないで”
”Nunca confíes en un archivista /決してアーキビストを信じるな”」
何度も口したぐらいに滑らかに出た言葉。手帳に書かれた光沢のない暗褐色で書かれた文字の羅列。
何時書かれたのかは分からない。けれど、これだけは忘れてはいけないと理解していた。
「ごめん、なさい」
この謝罪を届ける相手は私であって、わたしでない。でも謝らずにはいられないの。
わたしがよわかったから。もっとうまくできたのなら。かれらのくるしみをわかっていたら。ひきとめることができたのなら。
そうしたらとうのへいわはいつまでもつづいて、わたしもきずだらけにおちなかったのかな。わたしはみんなのしあわせをまだねがうことができたのかな。
もうわからない、わからないの。わたしのつみはなんだったのか。わたしはほんとうにばつをうけるべきひとであったのか。かんがえてもわからない。おしえてくれるひとはだれもいない。
だってわたしはつみぶかいのだから。ふざけるな、しんじていたのに、はじしらずだ。みんなみんなそういっていた。だからそんなことをしてくれるやさしいひとなんていないの。
だからにげたの。もうもどりたくなんてなかった。このままだとみんなをきずつけるとわかっていたの。
もうなにもしんじることができないの。もういたいおもいをしたくない。くるしみたくない。つらい。いやだ。だれか、だれか!
だからおねがい。わたしがほんとうにくるうそのまえに。わたしのしんぞうにないふをむけてほしいの。
だいじょうぶ、次はぜったいに逃げないから。
その時は私の記憶も、罪も、全部受け入れられると思うから。
だから何時までも待っているよ。
私を赦して罰を与えてくれる人を。明日に進まなくなる時が来る事を、ずっと、ずっと。



















『Who killed Cock Robin?    誰が駒鳥 殺したの
I, said the Sparrow,      それは私とスズメが言った
with my bow and arrow,    私の弓で 私の矢羽で
I killed Cock Robin.      私が殺した 駒鳥を』
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海老さん (99mkcsfq)2024/9/13 22:09 (No.5435)削除
__悪夢を、見る。


睡眠が必要ない自分達にとって、夢というのはそうそう見るものでは無い。
しかし自分の本の力は、何故かアーキビストにも偽りの睡眠というものを与え、夢を見せるものである。
何故そんなものが与えられたのか、聞けるものならバベルに聞いてみたいものだが、尋ねたところで答えてくれるはずもない。
しかし、その普通では体験し得ないことを、体験したいという好奇心旺盛な子供達も少なくない。
夢、というものはそれほどまでに魅力的な響きなのだろう。

それでも自分は、ここ数千年は悪夢しか見れていない。
戯れに寝てみても、あの日のことばかり夢を見る。

視界の先で黒くなっていく同僚だった人。
その前で真っ赤な姿で倒れる子供の姿。
「どうして」と口は動いたはずなのに、言葉にならなかった。
ただ、仲間だった誰かに武器を向ける他の子供達を見ているだけだった。
自分の戦闘能力なんて皆無に等しい。
ただ、本の管理をすることしか出来ないただの書庫管理である自分に何も出来やしない。
呼び止める言葉すら、吐けなかった。
彼が去ったあと、彼が辿ったのであろう道筋をたどる。
それは、自分の管理していた区域へと続いている。重要な本が並べられていた場所。
そこにあるはずの本が無くなっているのは、すぐにわかった。

「なん...で、なんで、なんでこんなこと、するんですか。」

今更さっき言えなかった言葉が今になってぽろぽろと涙と一緒に出てくる。

「全部、全部嘘だったって言うんですか。今まで笑って話したことも、思い出も、全部。空っぽだったとでも、言うのですか、よりにもよって、貴方が...!」

視界が歪んで、立っていられなくなって、その場に座り込む。
すすり泣く声を聞いた子供達は、駆け寄って、そして本がなくなっていることに気が付くのだろう。
そして、そのせいで泣いているのだろうと思って慰めてくれる。
優しい子、いい子達。
でもね、でも違うのです。
私はそんなことで泣いているのではないのです。
居なくなったあの子が分からなくて
そして、その子ととても仲の良かった、あの子がこの報告を耳にしてしまうのが
とても心苦しくてたまらない
きっと誰よりも傷付くであろうあの子が、立場上誰にもその傷を晒さず、抱え込んでしまうだろうと思ったから。

「......あぁ、責任、取らなくちゃ、ですよね。」

不意に出た言葉はこれだった。
本が無くなった。自分が管理していた、重要な本がいくつも。
その責任は取らなくてはいかない。いや、取るべきである。

ゆるゆるとした挙動で立ち上がり、心配そうに見つめる子供に向けて笑みを向けた。

「...自分のやるべきことをしに行くだけですよ。貴方達もすぐ捜索に行きなさい。......"あの子達"をどうか見つけてあげてくださいね。」

本と、それから真っ黒になってしまったあの子も。
...もう一度だけ、話がしたいという自己満だけど。
それから、白いあの子に心ばかりの謝罪と、それから......あぁ、ちゃんとしなさい、年長者でしょうエルピス。
こんなことで自分が動けなくなっていては、子供達が、もっと不安がってしまうでしょう。
ただでさえ混乱しているのだから、自分が、しっかりしなくては。

それでも今日は少しばかり疲れた。
報告と、謝罪と、それから少し大事なお話をしたら、暫く本当に休暇をもらおう。
何も考えなくていいように
何も思い出さなくていいように
1人悪夢の中に閉じこもろう

どうせ、寝ても醒めても悪夢なんだから。
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主催さん (98twtq9o)2024/9/13 20:38 (No.5429)削除
「く、そ、くそ、くそッ──どこまで追ってくるんだよ、この化け物!」


(何かと問われれば、単なる好奇心、そして神秘を暴く無邪気な探究心の末、だった。

とある奴とのトラブルの末に存在を知った。
全ての言葉を統べる、人の手には落ちない神秘があると。

だから、暴いて、あわよくば奪ってやろうと思った。神秘を見ない人間の割合が大きくなったこの世で、皆の目を開く第一人者になってやろうと思った。

ただそれだけ。
ただそれだけだったのに!)


「君たちは、己の理解の範疇にないものを"化け物"として括る風習があるのだったな。であれば正解だ────多少の頭は働くらしい」


(オルフェウスの竪琴を奏でるかのように美しい声が、後を追ってくる。
冷笑を含んだその声が、ひたりと背中を追ってくる。

男は──盗人は半狂乱だった。

やっと神秘の在処に辿り着いたかと思えば、立っていたのは顔を布で隠した男が一人だけ。それからずっと、ずっとずっと、逃げても逃げても大声で謝っても二度としないと誓っても金を払うと叫んでも────。


追いかけて、くる。


もはや動かない脚が、よろりともつれた。
決死の思いで体勢を立て直した盗人は、歪む視界の中で振り返る。


顔を布で隠した男が、口元に拡声器を当てていた)


「────『止まるが良い、盗人』」


(その、瞬間。

バギン!と轟音を響かせ、地面が"割れた"。
雷が駆け抜けたかのような巨大な地割れが、およそ10m、真っ直ぐに伸びて。

盗人の足元を、正確に捉えていた。

盗人はたまらずバランスを崩し、倒れ込む。
図らずも止まる形になった盗人は、必死になって地割れから抜け出そうと暴れた)


「近付きすぎただけならば、追い払うだけで済んだ。だが、君は知ってしまった。理解してしまった。それだけではない。最大の罪を犯した」

「は、……は……ッ……!!」

「傷付けただろう、僕の部下を。惨くも悍ましいことだ、石で殴るとは……可哀想に、ずいぶん怯えていたよ」


(盗人の顔、その真横。

ドン!と凄まじい音を連れて、真っ白い槍が突き刺さる。
その罪に杭を打つように。その脚に枷を嵌めるように。決して逃すまいと、槍の煌めきが盗人を睨め付けた。

顔を布で隠した男が、盗人の眼前で立ち止まる。

木立も、鳥も、獣も。
世界が、押し黙っていた。


沈黙した世界が、ただじっと、盗人を睨め付けていた。
四方八方に目があるような、背筋を氷に触れられたような、凍えた緊張。すこしでも動けば己に死神が笑いかけてくる気がして、盗人は息を詰める)


「神秘を盗もうとするだけでは飽き足らず、守り手に傷をつけるとは。研究者気取りかね?笑わせる」

「ゆ、ゆるし、許して────」

「何を許せと?君の罪、金塊程度では到底贖えまいよ」


(男が懐から、一冊の本を取り出した。


ぱらぱらと数ページ捲り、男がゆっくりと屈み込む。
不可思議な力を操る男に逆らう意志は、既に盗人には残っていなかった。

男が初めて、端整な口元に笑みを湛える)


「求めたまえ。この本は、君が求めた神秘の結晶。さあ────愚者に堕ちてでも欲しかったのだろう?……『契約』を求めるが良い」


(意味などわからない。それでもここで肉塊と果てるよりはと信じて、盗人は、縋った。


己が暴き立てようとした神秘に、祈った。


その刹那、酒を呷ったように喉が熱くなる。
頭の血管に熱湯が駆け巡ったかのように、或いは全身の血が沸き立つように、あつい。


そして瞬きの後、男の耳には菴輔?險?闡峨b螻翫°縺ェ縺上↑縺」縺ヲ縺?◆縲

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「調子はどうかね?……ふむ、頭の傷は癒えたか。……結構、安静にしていることだ。……なに、情報漏洩に対する罰則?」


「真面目だね、君は。しかし今回のことは意図しての漏洩ではない、ゆえに不問とする。……しかし、そうだな。罰則を求めるならば、医務室の手伝いに入ってもらおう。無論、傷が完全に癒えてからだよ」


「君の治療に尽力したのは医務室の者たちだ。手伝って、恩を返すと良い。…………あの人間?末路が気になるかね?」






「さあ。だがあの人間には『資格』がなかったようだ。『本』はお怒りでね────多少の天罰は降っただろうが、安心したまえ。死んではいないとも」
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さん (98y79v68)2024/9/12 22:57 (No.5398)削除
「……それ、ウマいのかよ」
「美味いから吸っているに決まってんだろ」
げぇ、と軽く吐くポーズをして少年は口から煙を吐く男を眺めていた。
「ま、この良さはガキのお前には分からねえのは当然ってことか」
「るせえ、」
子供扱いされたその口ぶりにむっと顔を顰めるその姿にくたびれた男は嬉しそうに笑っていた。
「今ぐらいはその立場に甘えてやれ。遅かれ早かれ世の中は甘くはなくなるからな」
「俺にとっては最初から世の中は甘くはねえよ」
「そうだったか。それは悪かったな」
「あやまんなよ……俺が不幸みたいになるじゃねえか」
「ならお前は幸せかって?」
「分かんねえ。けど、他の奴らよりはマシだと思っているよ」
少なくともこうやって立っている。冷たく動かなくなった肉片よりも温かさという奴があるのならまだ最底辺じゃないって信じられる。
「死ぬよりも生きる方が良いって事か。まあ大抵の奴等は人の不幸を見て自分の幸福を噛み締められるからな」
「こいつよりもマシって思うからか」
「ああ。でもそれは一時的でしかないから直ぐに忘れて不幸だと思っちまう。長く生きたいと願うならもっと大きな信念を持つ方が強い」
「……そういう奴程武器の扱いがうまいのか?」
「いいや、何が何でも生きてやるっていう気持ちが強くて中々くたばらないんだ」
へえ、と一応曖昧な返事を返した。そういう信念とやらは決まって何か大切なモノというものを抱えた贅沢で厄介な奴でしかない。
俺にそういうモノは無かった。なんで息をしているのかわからないままに惨めに死にたくないだけで今もこうやって息を吸えている。
「そんな直ぐに見つかるものじゃない。………でもまあ、その答えを知れた時がお前にとっての人生の始まりだろうな。」























※全てにおいて閲覧注意。正義も綺麗事も倫理観も何も無い。それが彼の人生なのだから仕方が無い





















人生で最低であった日を今でも思い出せてしまう。
生まれ育った場所というものは人をなす上で重要な要素となっているらしく、いくら時間が経とうが過去の呪縛とやらを振りほどく事は難しい。そんな人の括りの中で恐らく最底辺である俺の一番古い記憶というのはそう多くは無い。まともに光が入らずに淀んだ出口のない迷宮。否応なしに鼻に入り込んでくる腐っていく悪臭と灰色を漂わせた金属で支えられたコンクリートの塊。目に映るものすべてが醜くて汚らしくて”うつくしい”なんていう価値のありそうなものなんて存在しないそんな場所。
此処にいる子は親に見放された者。此処にいる大人は社会から見捨てられた者。世界からゴミだと定義された者達が集う廃棄場なのだから俺の環境とやらは本当に惨めでどうしようもない。
そんな場所に1秒たりともいたくないというのが共通の思想でありそれ故に安易に大人なんていう図体と態度がデカい奴にほいほいと従って”ぎゃんぐ”なんていう集団に足を踏み入れたのが最初で最後。
今思えばろくに体力もないガキなんて都合の良い弾避けとして使い捨てられるのは当然であったが、そんな”じょうしき”の知らない俺たちは己を傷つけるすべてを酷く恨んだというわけだ。
そんな中で俺は他のガキと比べて随分と見込みがあったらしく。俺と似たような大きさのガキが初めて土に埋まったとしても他とは違って身体は最初と変わらずに思い通りに動かす事が出来たし、やがて俺を除いた肉壁が消えた後でも食事に有り付けるありがたさを感謝出来るぐらいには精神がマトモだった。だけどそのせいで皆は遥か上に向かい俺だけが地面に足がつく暗闇に取り残されてしまった。
別にアイツらとはかぞくなんていう強いつながりがあったとは思っていない。けれど、日々ゴミあさりや物乞いで食べ物に有り付いたあの時に同じ状況を分かち合える仲間がいるだけでも随分と助かっていたなんてようやく知った時にはもう手遅れだった。
勿論そのために痛い目にあったし死にそうになった事も何度だってあった。それでもゴミにまみれていた時よりもにんげんらしいと思えたのはやっぱり間違ってるんだったな、と気付いた頃にはそいつらの名前を忘れた後であった。







「………こいつは?」
何度も殴られた上に色んな箇所を切りつけられたせいで虫の息ぐらいにか細くもまだ胸を上下させる気力の残っているヒトを指さしてまだ背伸びしても噛み合わない視線を無理矢理合わせるために男を見上げた。
「大方脅しに屈して情報を出した下っ端だな。まだ生きているとは恐れ入った」
そう言って脇腹を軽く蹴るとそいつから僅かに呻き声が聞こえた。
「これ以上呻いていてやかましいからな…そうだ、お前がとどめを付けてやれ」
「でも…まだ息をしているだろ?」
「そうだな。だがじきになくなる」
ほら、と渡された銃を手に取ると途端にその重みと冷たさを感じて気分までその重さに引っ張られる。
「撃ち方は見ているから知っているだろ?一発で脳に叩き込んでやれ」
「…………」
今迄俺が与えられた”しごと”といえば他へ伝言や物資を伝える際の使い走りぐらいで相手の足や顔を傷つける事はあってもせいぜい怯ませて動きを鈍くさせる程度でそれを使って心臓を深く刺す事は無かった。”そういう事”をする立場になれと明確に言われたのはこれが初めてであった。
「ナイフであれそれをちゃんと扱える技術と精神があるのは良いんだが。その1つにしがみついていりゃ俺の年まで生きていけねえぞ」
「でも、」
これは荷が重いという奴ではないのか。
「指一本で済むから軽いだろ」
まだ早いのではないか?
「いいや、遅すぎる方だ。若い方が相手の油断を誘えて成功しやすくなるから今のうちに慣れた方がお得だろ」
殺す事に年齢も体格も関係あるものか。
「別にこんなの今更だろ。このまま腑抜けてたら何時までも先に進めなくて困るのはお前だぞ」
分かっている。それでもこの行為をする事の理解を拒んでしまっている。これ以上先に進めればもう戻れない。嫌っていた者と変わらなくなってしまうのだと強く訴えられる。
「……これでもお前の事は気に入ってるんだ」
だから失望させるなよと普段から嫌な気分にさせる男の顔が今日はやけに醜悪に見える。
これから先に行けば戻って来れない。だから引き返せとぼやけた顔をした誰かが主張している。
_____でも、戻る場所なんて最初から存在しないじゃないか?
「…………………あ、」
ソレを自分で導き出せてしまい全身で冷えた水を浴びた衝撃に襲われる。
吐く息がやけに凍えているように感じる。迷ってはいけないと手の震えを必死に抑え込んで標準を慎重に合わせる。目に焼き付きそうな怯える表情を遠くへと追いやる。
そうだ、これが出来なきゃ死ぬのは俺だ。お前も同じようになりたくないだろう?誰かがそんな事を囁いていた。
そんな声を振り払い、強く目をつぶったまま指を動かした。勢い良く引くと同時に音を鳴らして飛び出て来た弾は真っすぐに額を貫き、その衝撃のせいで身体が悲鳴を上げながら盛大に尻もちをついてしまった。
「初めてでこれなら悪くはねえな」
床に血をまき散らしながら完全に息が止まった事を確認してから、ようやく手の痺れやらなんやらで跪いてうずくまる俺を見た。
「命を奪う事を恐れるな。むしろ自分の力でヒトの人生って奴を潰せた事を誇らしく思ってやれ」
「これがアンタたちにとっての栄誉ってやつなのかよ」
「もちろん。奪われるぐらいなら奪ってやる。これぐらいの意思でやっと独りで立ち上がる事が出来るって訳だ」
だからお前もここで怖気づくなと暗に言われたような気がして、情けなく座り込んで脱力していた足に鞭打って渋々立ち上がってから手にしていたやけに重い銃を返した。
「改めて歓迎するぞ、若くして理不尽の代理人の資格を得た事にな」
























ようやく解放されて一人になれた後、俺は胃の中身を全部ぶちまけた。
雨風をしのぎながら皆で集まって寒さに耐えた事。珍しく腐っていないきれいな食べ物を見つけて何度も何度も噛んで忘れないように味わった事。幸福になるために掃き溜めから出てオトナに着いて行った事。傷の増える身体。ナイフの冷たさ。帰って来ない仲間。もう思い出せない声と顔。一発の銃弾で事切れた空ろな目。
たった今全部まとめて吐き出たオモイはもう一度味わうことは決してない。身体に残っていたほのかな熱が消えれば後に残るのは無機質な冷たさだけ。
生きるためにオモイを棄ててその代わりを補うために注ぎ込まれた毒のせいで俺はとうとう脳を侵されたのだろうな、と鏡に映る空虚な瞳を見てそう客観視する事が出来るぐらい冷静になっていた己がいた。
これが大丈夫な訳がない。けど、多分次はもっと上手く命を奪えるのだろうという事は何故だか確信していた。


























「……ふふ、」
「なにがおかしい」
「いや、こんなに熱烈な歓迎を受けるとは良い事をしたなって」
俺に馬乗りにされて首にナイフを突きつけられた男はこの状況に怯える訳でもなく、むしろ嬉しそうにしていた。
非情という耐性を得てからというものナイフを使って心臓を刺す事や銃によって頭をぶち抜く事に対して手の震えも感じなくなったし吐瀉物を作る事も無くなった。
けれどその分世界とやらは灰色が増えて色褪せたような気がした。どうせコイツもナイフ一本で簡単に死ぬと思うと人という者に価値を見出せなくなった。それでも生きていくための対価だと思えば手足の数本がいかれるよりもまだマシだと自分に言い続けた。
そうして今にも崩れ降りそうだった廃屋の中で誰よりもずっとずっと長く息を吸えたという自覚を得た頃。拭いきれない血が手だけでなく足や顔にも飛び散ったのを満足げに見たオトナから彼を殺してこい、なんていう何時ものように捨て駒のような指示を受けてまたかと小さく溜息をついて淡々とその命令に従った。
目的の相手というのは注意を惹くような恰好をしていたからか簡単に見つかり、こうやってガキ相手に不意を突かれたその短慮な言動に呆気なさを覚えた。
白くて長くいかにも邪魔そうで汚れそうな、そんなひらひらとした服を着ていた男は俺によって僅かに首の皮を切られ血を流しているというのにそれがなんて事ないという風に一切の怯えや恐怖を感じない。警戒を緩めない俺が脅威ではないという風に意も介さずにそんな事を言った事に舐められているという不快感が湧いて来る。
「…馬鹿なのか?」
「馬鹿とは失敬な。これでも世界を誰よりも上手く立ち回れる自信はあるよ」
「現に今俺に殺されそうになってるじゃねえか」
「説得力が無いって?ならどうしようかな………ああ、じゃあ君に信じて貰えるようにしようか」
そう言うと同時に刃が首に深く食い込む事を恐れずにナイフを持っていた左手を折る勢いで捻り上げそのまま横に重心を傾けた。彼の突然の動きに対処出来ず、手首に走る痛みも相俟って俺がそのまま横向きに倒れ込んだその瞬間に彼によって素早くナイフを奪われる。
「っ、」
なんとか反撃をしようと立ち上がろうとしても直ぐ様腹に強い蹴りを受けた事で狭い路地の壁に勢い良く叩きつけられてしまい全身に強い衝撃が襲う。
「これなら少しは話を聞いてくれそうかな」
「ざけんなっ…!?」
文句か反撃をしようとしたその瞬間、たった今蹴られたよりも強い激痛が全身を走った。思わず出所を見ると右足の甲に遠くへ飛ばした筈の刀が深々と突き刺さっていた。真っすぐに貫いた刃が肉を裂き、骨にまで届くその衝撃に思わず息が止まりかける。ただでさえ全身を強く打ち付けられたというのにこうも物理的に足を縫い付けられたせいでまともに動く事が出来ないまま歯を食いしばって痛みに耐え続けながら息を吸う事しかなかった。
「目には目を、歯には歯を、だったっけ?格言って称されるぐらいだからちゃんと今でも通用するんだね」
彼が何を言っているのか一々分からないが、それでも一気に形勢逆転されたという事実だけははっきりと分かるせいでどうすれば良いのかという焦りがじわじわと生じる。
「これは殺人未遂。重犯罪の一種でその罪を贖うためには懲役か国によっては死刑が推奨される良くない行いだよ」
「っる、せえ」
そんな理屈とやらがこんな場所で通用すると思うな。
「ごちゃごちゃと好き勝手言いやがって」
「あ、もしかしてそこから?」
そっかぁと彼はしゃがんで無理矢理視線を合わせた。
「まあ簡単にいえば人が困る事をすれば同じ分だけ困らせなくちゃいけないってこと」
その結果がこれっていう訳かよ。悪いのは俺だがだといってもこうも一方的に虐げられるとは聞いていない。
「でも君とは面識が無いから報復か懸賞金目当てかな。…全く、安易な儲け話に釣られる烏合の衆っていうのも面倒だな。私という個人よりももっと身近で簡単に金を搾り取れる相手なんて幾らでもいそうなのに」
勝手に自らの事情とやら喋っているがそれを察する事が出来る程俺の頭は出来ちゃいない。
「殺すならさっさと殺せよ」
「どうして?」
「あんたと戦ったとしても俺が負けるっていう事実を変えられはしねえ。どうせ死ぬのなら早い方が後腐れが無くて済むだろ」
こうやってしゃがんで視線を合わせ柄を握っていないとはいえ俺が少しでも刀を足から引き抜こうとする動作を見せればそれよりも先に深く地面に突き刺して痛みを加えようとする算段は分かっている。
しょうがない、今までが運が良すぎた。とうとう特大のハズレくじに当たったのだと既に抵抗する意思は失せていた。
だから殺すならさっさとしろ、と顔を背けながらぶっきらぼうに告げても直ぐに反応がなく。不審に思って視線を合わせると彼を目を見開いたまま固まっているように見えた。
「………そうか。これは面白いなぁ」
「は?」
俺、そんな可笑しい事でも言ったのかよ。そう正直に言ったのにも関わらず彼は目の前で考える仕草を見ている此方が飽きるぐらい続けていた。
「……‥‥‥よし、決めた。早速だけど君には選択肢が2つある」
深い長考によって導き出した結論とやらを、彼は自信満々に俺に告げた。
「1つはここで私に倒される事。この刀は切れ味抜群だから時間をかけずに苦しまずに逝けるよ。」
まるで経験した事のあるようだ。だとしたら舐められていたのは合っていたのかと思ったが反論する気力も無かったのでそのまま受け流した。
「2つ目はね、私について行くこと」
その言葉を聞いた途端、率直にコイツは馬鹿だと確信した。
「俺が首を狙わないっていう自信があるようだな」
「君と私には復讐とか怨恨とかそういう煩わしいものはないでしょう?ただ殺すように命じられた。死なないように抵抗した。ほら、君自身そうしたかったのではなく、そうしなければいけなかっただけでそこに自分の意思が介在しないなら存外呆気ないものだろう?」
「……あんたはそれで得をするのかよ」
「だからこうやって話をしているんだ。君は今も私の話を聞いてくれる聞き分けのイイ子だからね」
「なら、俺にとっての得は?」
「ある、と言えれば簡単だけど。私は君の願いを知らない。まずはそれを聞かないとね」
「俺の願い?」
「そう。美味しい物を食べたいとか、生きたいとかそういうちっぽけな願いぐらいは流石にあるだろう?」
「……‥ねがいか」
どうして生きているのか。
なんで息をしているのかわからないままに惨めに死にたくなかった。ただ生きて、生き続けて、俺が生きた証を世界に刻みたかった。
「あんたについて行けば、……俺は生きる理由を得られるのか?」
いかにも”てつがくてき”な言葉に彼は意外そうな顔をしていた。
「それを決めるのは私じゃない。けどそうだね。今死ぬよりもそのチャンスが来るかもしれないな」
「なら、あんたに従ってやる」
自分が思っていた以上にその言葉は簡単に呆気なく飛び出て来た。
「……本当に良いの?」
「先に提案をしたのはアンタだろ」
「そうだね。じゃあ、決まりだ」
そう言って彼はようやく足に刺さっていた刀を抜いて俺に手を差し伸べた。俺も彼の手を掴みじくじくと血が流れる鼓動や痛みを感じながらやっと立ち上がった。
「……この傷は必要経費って事にして欲しいな」
「まあ、先に手を出したのはこっちだからな。今だけはそれで許してやる」
「優しいね、君は」
「多分今だけだと思うぞ」
「なら今のうちに味わっておかないとね」
これが本当の始まり。俺という矮小な子供が掴んだ最大の幸福って奴だった。
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こがねさん (99fg93x7)2024/9/8 22:40 (No.5181)削除
スピカ、或いはポラリス


 バベルにはいつも一緒にいる2人組のアーキビストがいた。
片方はプライドが高く、明るく、カリスマ性に溢れていた。
片方は自信が無く、控えめで、いつももう片方に付き従っていた。
 ふたりはいつも一緒で、親友のようにも、恋人のようにも、家族のようにも見えたという。しかし、本人の口からふたりの関係に名前が付けられることは無かった。


 その日は、何てことない日だったような気もするし、暗く沈むような日だったような気もする。ただ、いつものように2人で出かけ、話をしていたのは確かだった。話と言っても、詩のような謎かけのような、小難しい話に相槌を打つばかりだが。それがふたりのコミュニケーションなのだ。だけど、この日は違った。

「ベルナルド、言葉は生き物だ。生まれ、絶えず進化を続けて、死んでいく。そう、進化するんだよ、言葉というものは。閉じ込めていてはいつまでも変われない。蛹のままにしていていいのか?どろどろの中身がいつまでも羽化できないのは私たちが封をしているせいじゃないか?卵は永遠に回り続けるためにあるのか?」

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、何の話……?』

「どうして卵のうちから墓に埋めてしまうのか?墓守として死んでいくのが私たちの意義なのか?」

『ねぇ、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎……?なんか変だよ、帰ろうよ』

「帰る?どこにだい。友よ、私の帰る場所はもう無いんだよ」

 ベルナルドには、目の前のアーキビストが言っていることの意味が全く分からなかった。どうしてこうなってしまったのだろうか。確かに、常人には分からないような考えを持つやつだった。突飛な言動をするやつだった。それでも、今は明らかに平常ではない。その証拠に、普段は希望を宿して輝く瞳が伏せられている。ベルナルドを真っ直ぐに見つめるはずの瞳が、虚ろに宙を捉えている。自分の世界に、もうお前はいらないと言われているようだった。今すぐ駆け寄って手を握りたいのに、体が動かない。向けられない視線の代わりに、銃口だけがまっすぐこちらへ向けられていた。

「あの空にレールを引いたら、君は川辺から見送ってくれるだろうか」

僕を見ろ。

「塔の麓には、どんな言葉が死んでいるのだろう」

僕を見ろ。

「最後に残ったものが希望だなんて、どんな根拠があってそんなことを」

僕を見ろ。

「与えられるまで求め続けるのが正しいのか?胸の裡を開くべきでは?」

僕を見ろ。

「どれもこれも、餞別の花束には向かないね」

『僕を、置いていくな!!!』

 能力を発動した瞬間、太腿にナイフを躊躇いなく突き刺す。燃えるような熱さと肉を切り裂く刃の冷たさの中で、考えが冷えていく。
【何故今、能力を発動できた?】
 自分の能力は、タネを知ってしまえばそれまでだ。目を見ないようにするだけで簡単に防げる代物だから。あいつがそれを知らない筈が無い。事実、頑なに視線を合わせなかったのはそのためだろう。ならば、なぜ?
 ……その答えは出なかった。正面から向き合った瞳には、ただ狂気が湛えられていたのみ。その後は、何度かナイフで切り付けたような気がするし、肩の辺りを何度か撃たれたような気もする。そこまでしても、答えは得られなかった。次に目を開けた時には、バベルのアーキビストたちに囲まれていた。

「よかった、気が付きましたか。ベルナルドさん、私が分かりますか?大丈夫、もう安全です」
「外で負傷していたところを私たちが発見したんです。戦闘の痕跡がありましたが、アンダーテイカーと交戦を?」
「痛みはありますか?体に異常は?無理はしないでくださいね」

 アーキビストたちが口々に何か話しているが、うまく頭に入ってこない。ぼんやりとしたまま、ああとかうんとか返事をしていた。

「発見当時あなたは1人で倒れていましたが、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎さんは一緒にいなかったんですか?一緒でなかったなら、今どちらにいるか心当たりはありませんか?」

 その名前が聞こえた瞬間、一気に現実へ引き戻された。あいつは、何の痕跡も残していなかったのか。

『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は……あいつは、死んだよ』

 アーキビストたちが息を呑むのを感じた。次々と質問を投げられるが、答える気力は無かった。そう、死んだのだ。僕1人を置いて、簡単に消え去ってしまった。僕にもっと力があれば、その手を掴めたのだろうか。無理矢理にでも引き留められたのだろうか。あるいは、一緒に……

 そのどれも叶わなかった。ただ、置いて行かれたという事実だけがここにある。何より明るかったあの星は、とうに堕ちていた。
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こがねさん (99fg93x7)2024/9/8 23:16削除
今でもベルナルドは⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は死んだと言っていますが、遺体が見つかっていないので行方不明ということになっています。そう遠くない未来で相対するかもしれない。
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さん (98zj7wdb)2024/9/8 08:31 (No.5131)削除
#【美しい彼】


※ちょっとした首脳の恋愛話。






『……生涯で愛した人ですか?』

(真っ黒で光を吸収する様に暗い執務室で響く一つの声。その声に応えるように「首脳はそういった方はいるんですか?」と首を傾げて云うのだ。

首脳と呼ばれた男性は少し口元を扇子で隠して考え込んだ後に、小さく鼻で溜息を吐いて口を開いた。)



『…………ええ、居ましたよ。過去に……一人だけ。』



(過去に一人だけ、愛した方が居るらしい。首脳と呼ばれた男性は扇子を慣れた手付きで仰ぎながら椅子を回し背後を見せた。まるで表情を見られたくない様だった、表情なんて元々見えない様になっているけれど、彼はそれでも見られない様に後ろを向いて続けた。)


『…本当に一人だけ、こんな曲者であるあっしを愛した大馬鹿がいましたよ。

其奴は何時もあっしを美しいと言い、撮影機で毎日あっしを撮り続けて、決して他は撮らない馬鹿……

あっしが一緒に撮ろうと言っても首を縦に振らず、反抗までしてくる始末……。




本当に困った御方でありやしょう?』


(首脳は問いかけた、肘掛けに肘をついているのか後ろを向いていても畳まれた白と銀縁と青で彩られた扇子が見えていた。

そう伝える彼の声は何処か静かで、落ち着いている。まるで一人で海岸沿いにいる様な気分にもなる、ただ静かに揺れる波の音の様に美しい彼の声を聞き

また問うのだ。)



『……〝首脳も愛していたんですか?〟って…そりゃあそうでしょう。馬鹿言わんでください、じゃなかったら言いませんよ。』



(少し怒らせてしまった様だ。荒れる波の音は少しばかり威圧感があり恐怖を感じる、小さな声で謝罪をしながら烏滸がましいと思うが…思い出も教えて欲しいと思い首脳に云ってみる。)




『……他の人に言いふらしちゃあいけませんよ。言いふらした時は貴方の首が飛びますからねェ。』


『…それはそうとして、思い出……沢山ありますよ。

出会いはあまりにも食事を摂らないあっしを見て彼の人が一緒に食べようと言ったことが発端です。


別に食べなくてもあっしは良いと云うんに其奴は聞く耳を持たず態々なけなしの金で買ったさんどいっちをよこしたんですよ?馬鹿ですよねェ。

でも人の善意を踏み躙る程あっしもばかではないので、頂きましたよ。

一緒にさんどいっちを食べました、何処か懐かしい味を一口一口噛み締めながら食べて……気付いたんです。

あっし、それまでは一切食べ物を口につけなかったんですよ。お腹が空いたと云う感覚が湧かなければ、無理に食べれば吐き戻してしまう始末。

笑えるでしょう?かの首脳様は昔は拒食症と呼ばれる病の一種だったんです。


でも其奴と食べてる時は吐き戻したりせず、寧ろ全て食べれてしまうんです。

あっしは其の日から其奴と食べて、御礼に素顔を見せた日があったんですよ。お願いをされてしまい、何時も食に付き合ってもらっていたので仕方なくね


そしたら其奴、あっしの事を「可愛い」だの「綺麗」だの「美しい」だの……終いには「一目惚れした」とまで云うんです。

…いえ、一目惚れは前々からしていたらしいですけどね。』



(再び落ち着いた声色に戻り、淡々と続ける出逢いの話。続けるその声は落ち着いていながらも何処か嬉々としているようにも感じた。

そのまま彼は続ける、「初めて写真を撮られた日のこと」「初めて贈り物をされた日」「初めて家にお邪魔した日」「初めて一緒に出掛けた日」…様々な思い出を彼は懐かしそうに…そして何より寂しそうに語った。
顔は見えずとも何処か哀愁を漂う雰囲気を見に纏っていたから、嫌でもわかってしまう。

彼は少しだけ間を空けていいました。)


『でも其奴、人間だったんです。』



(この一言で伝わる人には伝わるのだろう。人とアーキビストの〝寿命の違い〟が彼を苦しませた。アーキビストを愛していたのならまだ良かったものの、彼は人を、一人の人間を愛してしまったのだ。彼は100年も経たないうちにあっしはまた一人になりやした、と語った。)


『死因は……伏せておきますが。あっしにとっては、其奴は…彼奴が一番美しく愛らしいって云うんに…。それに彼奴とは、約束までしたんです。
「世界が平和になったら、結婚しよう」そう云って一ヶ月もしないうちに彼奴は消えたんですよ。

全く有り得ませんよねェ。このあっしと重要な約束を交わしておきながら、あっしを置いていくなんて…


ほんっとうに…馬鹿な人ですよ。』


(首脳は目を抑えた、レースの下から手を潜らせ目を軽く指で抑えながら溜息を深く、深く吐き出す。


問うた側は居た堪れなくなり、帰って行った。

執務室に残された首脳は、影で鍵をかけ帽子を外して天井を見る。)


『………貴方が居なくなってから、あっしは此処まで捻くれ者になってしまいましたよ。


ですが、この前友人に出会ったんです。貴方にも話はしましたが紹介はしてませんよね、…紹介したかったなァ。』


(泣きはしない、だが其の声は確かに震えていて手袋を外し天井に手を伸ばした。)


(ゆっくりと目を開けて、オーロラの様に色とりどりに輝く美しい瞳が顔を出す。

人も人ならざる者も見えるこの瞳に、〝貴方〟は決して映らない。どうしてでしょう、貴方ももうこの世には居ないと云うんに……どうして映らないのですか?

浮かび上がる感情は悲しさと寂しさが混じり合った己が大嫌いな感情。かつてもう出さないと決めたはずの感情が込み上げてくる、思わず自分を両手いっぱいに抱きしめながら目の前の棚に置かれた伏せられた写真たてをみる。




手を伸ばして立てれば其処には唯一彼奴が一緒に撮ってくれた一枚の写真が入れられていた。隣には彼奴がいつも使っていた写真機も添えてあった。

写真立てを手に取り、写真の中で永遠に笑っている貴方をそっと黒く染まった指先で撫でた。)


『きっと貴方は怒るでしょうね。何時迄も貴方の事を想っているあっしを、貴方はきっと赦さない。

貴方はいつも言っていましたね。

「自分が居なくなったら次の相手を探して」と、何時迄も自分のことは考えなくて良いよ、なんて……出来たら苦労しませんよ…全く。』



(そろそろ、新しい恋でも始めろなんてこの歳になって思い出してしまった。写真立てを再び伏せた状態で置けば椅子をぐるりと戻し、帽子を着けて立ち上がる。)


『あっしはもう爺さんらしいので、爺さんが恋愛なんて笑い話になってしまいますよ。』


(そう言って肩からロングコートを下げて、鍵を開け扉の取手に手をかけたあたりで再び口を開く、)


『行ってきます。』


(もう誰も返してくれないけれど、でもそれでも昔からの癖で云ってしまうものよ。取手を捻り、扉を開けた。煙たい匂いが染みついた廊下、予定があって立ち並んでいた部下達を引き連れて今宵も仕事に行くのだった。)















【追記】

※今後の関係等についてこちらはあまり深く考えずにどうぞ。首脳は永遠に恋人募集してます、おじいちゃん(笑)でも良いよって云う心が広い方だけお待ちしてますね
返信
さん (98zj7wdb)2024/9/8 11:54削除
「人間の死因」

首脳が首脳になる前は、多分恨みを買われる仕事を幾つもやり今の地位やらを築いたと考えた時に真っ先に犠牲になるのは首脳の弱みとも言える周りの人達かなぁって考えました。
首脳は人間を守りながら戦い、怪我を負いながらも人間には怪我をさせず、幸せと感じれる日々を過ごさせました。

でも時代が時代できっと彼と人間は婚約が出来ませんでした、何よりも首脳は婚約をしたことにより人間に降りかかる不幸が恐ろしくて婚約をしませんでした。
だから言ったのです、

『世界が平和になったら結婚しよう』

でも世界平和なんて人間が生きているうちには訪れず、そのまま人間は老い、この世を去った。



街でも噂になるぐらい美しい人間と、其の美しい人間が魅入った首脳、そして魅入られた首脳。



死んだ後は骨しか残らなかった人間の頭蓋骨を抱き締めた首脳も居るのでしょう。


其の日から首脳はあまり親しい人を作らない様になった。

いつでも切り離せる様に、いつでも居なくなって良い様に。


拒食症なのは単純にバベルから出る時殺めた仔達が頭をよぎって食べれなかっただけです。




『bitter/ロス』と云う曲を元ネタに作成しました。聞いてみてね。
返信1
濃口さん (98yc388w)2024/9/6 23:09 (No.5073)削除
Q.秘蔵の蜂蜜とは何か?

A.海外から取り寄せた至高の逸品。厳しい品質検査にクリアしたものだけが一流品として出荷されるため、流通量は世界的に見ても少ない。見た目は深い琥珀色で、余分なものを含まないどこまでも透き通った甘さと舌触りは、他の安価品とは一線を画すものとなっている。要するに、高級で、激レアで、めちゃくちゃ美味しいのである。

そんな秘蔵の蜂蜜がようやく日の目を見たきっかけは、持ち主に新たな友人が出来たことだった。
持ち主───ラニャテーラに宛てがわれたバベルの一室には、石壁を丸く抉りとったような穴がある。建築用語ではニッチと呼ばれる、言わば壁に埋め込まれた飾り棚のようなスペースだ。普段はカーテンによって覆われているそこは、彼だけが使える貯蔵庫である。無論、中を占めているのは黄金色に輝く蜂蜜たちだ。

そんな貯蔵庫の最奥から取り出した秘蔵の蜂蜜を、久しぶりに蛍光灯の光に当て、矯めつ眇めつチェックする。つるりと丸い瓶には傷一つなく、中の琥珀色にも翳りは見つからない。長期保存に耐えられて、いつでも美味しく食べられるのが蜂蜜のいい所なのだ。

さて、今日は自分で食べるために引っ張り出してきた訳ではない。新しく出来た友達───とある少女と次に会う時、とっておきのお菓子を交換しあう約束をしているのだ。そして物々交換とはいえ、贈り物であることには変わりない。プレゼントには、それ相応のリボンが付き物だろう。

そう考えて雑然とした部屋を一時間ほど引っ掻き回し(彼の部屋で整然としているのは貯蔵庫の蜂蜜たちだけだ)、引き出しの奥底からようやく赤いリボンを見つける。少し縒れてしまっているが、解れてはいないし色褪せてもいない。フチに金色のラインが入っていて、少し高貴な感じに見えるのも感じが良かった。元は何に付いていたリボンだったか───貰い物のお菓子の箱?まあ、とりあえずはなんでもいい。興味がなくても何だかんだ溜め込んでおく習慣が役に立ったということだ。
指で皺を伸ばし、瓶の口部のすぐ下、少しくびれた部分にリボンをぐるぐると巻き付ける。しっかりと蝶々の形に結び、これも家探しの際に見つけた赤いピアスを留め具代わりに結び目に挿した。
正直なところ、このピアスが自室にある経緯も謎である。確かかなり前に買ったような気がするのだが、自分の事だから直ぐに放置して忘れてしまっていたのだろう。今見るとなかなか瀟洒なデザインだが、片方しか見つからなかった為どちらにせよもう使わない。拠れたリボンの相棒にはピッタリだ。

こうして多少はプレゼントらしくなった瓶をもう一度光に翳し、己の瞳に琥珀を透かす。
喜んでくれるだろうか、なんて不安は爪の先程も感じていない。彼女の喜ぶ顔が楽しみだ。

思い浮かべた笑顔につられるように自身も僅かに頬を弛め、貯蔵庫の一番手前へ瓶を置いた。
彼女との約束の日が決まるまでは、暫くはここで出番待ちだ。連絡先を聞くのを忘れていたから、次の休みにはまたふらりと街に出てみようか。

────だが、まあ、焦ることは無いだろう。
蜂蜜もアーキビストも、長い時間待つのは得意なのだ。
満足気に頷いてカーテンを閉じ、自分の部屋を後にする。少し調子の外れた鼻歌だけが尾を引くようにその場へ残り、それも軈ては遠く消えていった。
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主催さん (98twtq9o)2024/9/6 09:41 (No.5021)削除
「目元を隠している理由?」


(最近生まれたばかりの部下は、是、と頷いた。

遥か昔から、幾度となく聞いた問いかけだ。
なぜ顔を隠すのか、なにかあったのか。それとも行き過ぎた秘密主義のお戯れか、と。

普段ならば、秘密だ、内緒だと煙に巻く。
けれど今日は、その男──管理者は、ふむ、と首を傾げた。
その部下の、無垢な好奇心。そういうものに、我が身にも大いに覚えがあったがゆえに。

口を開いて、昔話を語ることにしたのだ)


「生まれたばかりの頃、僕の目は何かしらが欠けていたようでね。ものを見ようとしても、眩んで、歪んで、どうにもならなかった」


(そういうものだから、当然のことながら本も読めず。
本を開けば眼前は眩み、無駄な労力を使ってしまう。本の一冊読もうものなら要らぬ体力が削れてしまう。

バベルの管理者として任を受けておきながら、本の一冊読み終えることも儘ならない。
これから数多の言葉が生まれ落ちるうつくしい世界を、見つめることも叶わない。

自分の目に失望するまで、さほどの時間もかからなかった)


「多少でも目にかかる負荷を減らそうとして、自分の目元を布で隠した。……生まれて数日もしないうちに、僕は、世界を直接見つめることを諦めたんだ」


(愛しいバベルは自分に、この目で何を見定めろと言うのだろう。

黒い布で視界を閉じたと同時、たぶん自分は、心も閉ざしてしまったのだ)


「他のアーキビストの目が、羨ましくてたまらなかった。ルビーの目をした者、海より深い色の目をした者、目の中に星を飼っている者、……オーロラのような目をした者。それに比べて己の目は、と」


(一度心に巣食った夜は、寄り添う素振りでたちまち自分を蝕んだ。
仄暗い感情を抱えてしまえば、転がり落ちるのは早かった。

きっと世界は、抱えきれないほどの光を宿しているだろうに。
自分にはその光を、まともに見つめることは許されていないのだ)


「今思えば、周りに相談すれば良かったのだが……矜持が悪い方にいたずらしたのだろう。抱え込んだまま、ある日、僕は言ってしまったのだ」


(こんな目ならば、いっそのこと)


『…………潰れてしまえ』


(それを、拾ったアーキビストがいた。

誰もいないと思ったのに、壁の向こうには同胞が立っていたのだ。開いた扉の隙間からこぼれた声を、そのアーキビストは聞いていた。

バン!と扉が折れるような音を立てて飛び込んできたアーキビスト──比較的古い生まれの部類に入るそいつは、おまえは何を言うんだ、と粗雑な口調で問い詰めた。
何を勘違いしたのか、早まるんじゃない、とまで言って。

勝手に部屋に入ってきたのは頂けないが、結局、それが転機になった)


『皆と同じ世界が見たい』

『文字が読みたい。本が読みたい』

『ただそれだけなのに、直接見ようとすると世界が歪む』


『────同じ景色を見てくれる者がいないのは、寂しい』


(ついこぼれた言葉が、そいつを困らせているのはわかっていた。
だから、冗談だよ、と笑って誤魔化す準備を済ませていたのに)


「そいつはね。わかった少し待っていろと、布を持って立ち去ってしまって。何をしているのかと思えば────金色の糸で刺繍を縫った布を持って帰ってきた」


(やはり、話せば懐かしい。
目元を覆う布を撫でながら、そいつの顔を思い出す。

著しく疲れたような顔をして掲げて見せたその布には、お世辞にも上手いとは言えぬ刺繍がちまり。
普段から裁縫慣れしているわけではなかったのだろう。ともすれば、ものを縫ったのは初めてだったのかもしれない。

何だそれはと問うた自分に、そいつは「あー」だの「えーと」だのと挟みながら答えた。……即興は苦手だったらしい)


『まじないを編み込んだ。私の異能だ。あなたの目が良くなるように、お祈りしたんだよ』


(きっと、良くなるなどと。


ずいぶんな戯言だ。
慰めには充分だが、ことの次第によっては怒りを助長してもおかしくない。

第一そいつの異能は、おまじないなどではなかったはずだ。嘘も嘘、大嘘であることは明白だった。
それでもその時、その時だけは────)


『だからほら、潰れてしまえなんて言わないで。綺麗な緑色の目をしているんだから』


(ひたむきなその光が、朝陽のように眩かったことを覚えている)


「────今?今はもう問題ない。医学の進歩とは目覚ましいものだ、あれほど僕を悩ませたくせ、治る時は呆気なかった」


(それならばなぜ、と問われれば。

自分のために祈ってくれたあの同胞の恩を、いつまでも残しておくためだ。
あの時胸を満たした温もりを、ここに残しておくために。

糸がほつれて布ごと破れたら、新しく縫い直す。繰り返してずっと、いつしかトレードマークになってしまうほど)


「ふふふ。ほら、とくべつだ」


(ひらりと布を捲り、片目を晒す。

深く鮮やかな緑色に満ちた瞳。しかし人より光の薄い、すこしばかり暗い瞳)


「……あの同胞がいなければ、僕は己が目を潰していただろう。歪むならば意味などないと」


(懐かしむように目を細め、再び布を下ろす)


「大した理由でもなかっただろう?さあ、職務に戻りたまえ。好奇心は満たされたはずだ」


(部屋を辞する部下を引き止める。
人差し指を立てて、管理者は口元に微笑を満たした)


「……今の話は一等の秘密だから、無闇に言い触らさないようにね」
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こちらはイラスト専用掲示板です
主催さん (98twtq9o)2024/10/12 23:35 (No.7321)削除
管理者布OFFバージョンです
picrew『長髪男子メーカー』様
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さん (98zj7wdb)2024/10/7 22:17 (No.7010)削除
短髪な首脳をテンプレで出したので折角ならデカいバージョンも置いておこうと思って…。
人間男メーカー仮様より
亜種
返信
返信0
さん (98whydgy)2024/9/26 00:02 (No.6244)削除
カーツィフード無し&イカ耳ver。
【人間男メーカー仮】様より。


刺青は趣味です。(私の)
返信
返信0
海老さん (9a27jh0j)2024/9/24 20:54 (No.6101)削除
エケチェンエルピス


「ひどいっ、僕がきらいだから、そうやっていたいことするんですねっ!」
<自分で歩いてすっ転んで顔面に傷作ったのはそっちでしょ!?>

_傷の絶えない子でした。主に何も無いところでよく転んで、ね。
長髪のおにいさん よりお借りしました
返信
返信0
さん (98zj7wdb)2024/9/23 22:08 (No.6054)削除
軍服首脳。
絶対サイハイブーツ履かせてやる。
司書長もどうぞ。

後は溜まっていた首脳の数々も置いておきます。
趣味丸出しメーカー様より
キミの世界メーカー様より
返信
返信0
主催さん (98twtq9o)2024/9/23 19:54 (No.6024)削除
軍服管理者です
白黒で2パターン作りました
picrew『しゅみまる出しメーカー』様
同上
返信
返信0
さん (98zj7wdb)2024/9/17 22:30 (No.5619)削除
IF首脳









今も司書長を続けている彼の人。



「バベルに生まれてよかった!!」


「…バベルから離れた貴方達はあっしの手で、痛みのないように逝かせてあげましょう。」





愛しい貴方達の為に、最期まで最大限の優しさを。
「SK-MEN′S」メーカー様より
返信
返信0
海老さん (99qx0ruz)2024/9/16 23:15 (No.5577)削除
ifエルピス


「...あぁ、可哀想な子供達。

こんなどうしようもない世界に産まれたのに、救いがないなんて。

だから俺が、皆まとめて救ってあげます。

世界とバイバイ、しましょうね?」



_それは、「希望」の名を持つ者。


ΕΛΠΙΣ
てんしょうメーカー様よりお借りしました
返信
返信0
さん (98zj7wdb)2024/9/16 21:05 (No.5575)削除
おにいさんメーカー様より


⚠️IF注意⚠️





アンダーテイカーの無差別殺人鬼。

「Xeno Michael」




「兄さあん!次はどの仔を殺して良いワケなんですかァ?それとも全員サクッと丸焦げ……ふふふふ!」
あったかもしれない世界線
返信
返信0
海老さん (99o5hfnf)2024/9/15 00:48 (No.5490)削除
[ 数千年前のこと ]

「俺の報告は以上です。...そして、この件について俺は責任を取ろうと思います。
長年続けた書庫管理の任ですが、辞退させて頂きたいのです。
バベルが忙しい時に、こんなことを言うのはおかしいのでしょうが...俺はもう、力になれなそうなので...。
...そうだ、最後にこれだけ。
本当にごめんなさい、本に関しては貴方に責任はありません。責めるべきはあそこの管理をしていた俺です。
だから、全部を1人で抱え込まないでくださいね。


ミネルヴァ管理。」
仄暗い少年少女 様よりお借りしました
返信
返信0

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上二つに当てはまらない投稿はこちらにどうぞ
さん (98zj7wdb)2024/9/24 00:43 (No.6061)削除
ポケモン風のファルサとゼノ

また十字グラフやテンプレート置き場です。
返信
さん (98zj7wdb)2024/10/6 21:23削除
君が髪を切った理由とは?


素敵なテンプレートお借りしました。
メーカー様は人間男メーカー(仮)様より
Xeno
Falsa Sol
さん (98zj7wdb)2024/10/3 23:25削除
過去の恋愛事情とかいうとんでも良テンプレを使わせてもらいました。
ありがとうございます

あ、記入はご本人が直々にしてくれました。
さん (98zj7wdb)2024/9/27 00:54削除
赤→影で喰われます
オレンジ→好感度高いなら青色に移行、低いなら殺す
青→好感度MAXなら紫になるかもしれないね。
素敵なテンプレートお借りしました。
さん (98zj7wdb)2024/9/25 20:45削除
第四弾
十字グラフ
さん (98zj7wdb)2024/9/25 20:41削除
テンプレ集
ファルサとゼノくん
ファルサの質問1
ファルサの質問2
ファルサの質問3
ゼノの質問1
ゼノの質問2
ゼノの質問3
ゼノ
ゼノ
ゼノの取扱説明書
双子
さん (98zj7wdb)2024/9/24 22:25削除
こちらはゼノのテンプレ集
さん (98zj7wdb)2024/9/24 22:24削除
これは首脳のテンプレ集
さん (98zj7wdb)2024/9/24 22:21削除
イメソン集
さん (98zj7wdb)2024/9/24 11:59削除
第三弾
十字グラフ
さん (98zj7wdb)2024/9/24 11:54削除
第二弾
十字グラフ
さん (98zj7wdb)2024/9/24 00:49削除
第一弾
十字グラフ
返信11
さん (98y79v68)2024/9/21 02:53 (No.5772)削除
Coffee Break

ちょっとした息抜き


素敵なテンプレートをお借りしました
返信
さん (9afdieoe)2024/10/4 02:03削除
Part5
回数を重ねる事に増えていく問題
さん (9a6l2qhk)2024/9/27 22:24削除
flambé
























真実と嘘の境界線って一体誰が決めているんだろうね
さん (9a3ptecw)2024/9/25 22:14削除
イメージソングver
さん (98y79v68)2024/9/23 00:16削除
Part3

素敵なテンプレートをお借りしました
さん (98y79v68)2024/9/21 22:55削除
Part2

素敵なテンプレートをお借りしました
返信5
主催さん (98twtq9o)2024/9/20 23:10 (No.5760)削除
ポケモン風味ミネルヴァです
テンプレお借りしています
返信
主催さん (98twtq9o)2024/10/4 00:18削除
闇堕ちテンプレです。
素敵なテンプレートをお借りしております。

質問の方はミネルヴァが直筆で書いてくれました。
主催さん (98twtq9o)2024/9/27 21:46削除
ミスがあったので再掲お触り分布図です
素敵なテンプレお借りしております
主催さん (98twtq9o)2024/9/25 23:23削除
質問テンプレです
素敵なテンプレお借りしております
主催さん (98twtq9o)2024/9/23 23:31削除
テンプレPart4です!
素敵なテンプレートお借りしています
主催さん (98twtq9o)2024/9/23 00:08削除
テンプレPart3です!
素敵なテンプレートをお借りしております!
主催さん (98twtq9o)2024/9/22 00:06削除
テンプレPart2です
素敵なテンプレお借りしております!
主催さん (98twtq9o)2024/9/21 22:39削除
十字テンプレお借りしています!
返信7
海老さん (99wp69w8)2024/9/21 00:21 (No.5769)削除
お嬢のポケモンテンプレです

テンプレお借りしました!
返信
海老さん (9a6jhc0a)2024/9/27 21:40削除
乗るしかない、このビッグウェーブに!!

ということでテンプレをお借りしました!
海老さん (9a3sq354)2024/9/25 23:35削除
質問テンプレこっちにまとめました!!

素敵なテンプレお借りしました
ノワール
ノワール
ノワール
エルピス
エルピス
エルピス
海老さん (9a0w92ak)2024/9/23 22:51削除
お嬢のワンフレーズイメソンをずっと考えてて形になったので...

色分け
黒...過去に紐付くもの
橙...現在
桃...恋したらこんな感じかな〜
海老さん (99xwnzvb)2024/9/21 20:39削除
十字グラフもお借りしてやってみました!

素敵なテンプレ、ありがとうございました😊
海老さん (99wp69w8)2024/9/21 00:52削除
こちらエルピスのポケモンテンプレです

テンプレお借りしました
返信5
さん (98whydgy)2024/9/21 00:10 (No.5768)削除
ポケモンテンプレのカーツィです.
テンプレをお借りしました.
返信
さん (98whydgy)2024/9/27 01:42削除
お触り分布図です!
返信1
そばさん (99b9fi2s)2024/9/23 23:59 (No.6059)削除
流行りにのっかりまして十字テンプレをお借り致しました
返信
そばさん (99b9fi2s)2024/9/27 01:20削除
そばさん (99b9fi2s)2024/9/26 22:38削除
すばらしきテンプレをお借りしました!
そばさん (99b9fi2s)2024/9/24 23:27削除
流行りに乗りましてワンフレーズイメソンでございます!!!
返信3
濃口さん (98yc388w)2024/8/28 20:49 (No.4371)削除
CSで書き漏らしてる色々!

【 好き 】
言わずもがな甘いもの。特にお気に入りのスイーツはハニーワッフルと苺のパンナコッタ / 赤いもの / 戦闘(演習・実戦問わず)/ 図鑑などの絵が多い本 / 生き物 / 構ってくれる人

【 嫌い 】
字を書くこと。蚯蚓がのたくったような字であることを自覚しているため / バベルの仲間が傷つくこと。家族がいない彼なりに、家族のように想っている / ゴーヤ(見た目が怖すぎるとの事)

【 苦手 】
水。未だ海を見た事は無いが、恐らく泳げないだろう。入浴ですらあまり積極的ではないものの、シュワシュワするバスボムや色の変わる入浴剤など、お遊び要素があれば話は別とのこと。

【 オフの日 】
筋トレ、カフェ巡り、野良猫の溜まり場巡りなどをして過ごす。気が向けば公園で子供達の遊び相手になることもあり、『なんの仕事をしてるか分からないガラの悪いお兄さん』として慕われている。そのためイマドキの流行り廃りは子供たち経由で仕入れることが多く、児童向けアニメにまで異様に詳しくなってしまった。でかいカブトムシが捕れる山を知っている。
返信
濃口さん (98yc388w)2024/9/1 13:11削除
【 イメソン! 】

『わたしは禁忌』

「あなだけは守らなくちゃ意味がないだろ」
「この日常は渡さないわ。」

?si=BNnopnVz-5B3WT4D


『歪なわけ、教えてあげる』

「“今日も愛するよ”って、言え!!!」
「最高だったよな。」

?si=x0TwmPcew7okrsoL
返信1
夕凪さん (992b7ile)2024/8/31 22:30 (No.4520)削除
スプリング イメージソング

?si=z3eLJ_56YEtxuLnx
『Off The Record/IVE』

?si=DlqVvc50V95VMMH1
『Nobody Knows/KISS OF LIFE』
返信
返信0
さん (98xzi0j3)2024/8/27 17:23 (No.4247)削除
〈Falsaの詳細〉

【口調】
敬語なのだが何処か剽軽と感じれる軽い口調になっている。
また英名など片仮名表記の物を和名にしたり、平仮名になっていたり、日本語表記にすることが多々ある。
(例→ミルクレープを「みるくれえぷ」と呼ぶ)
一人称はあっし、自分
二人称は貴方、君、等
三人称は皆様、皆様方、お嬢さん方、お兄さん方等

【特技】
裁縫や編み物

【好きなもの・こと】
落語や漫才、紙芝居、裁縫、ミルクレープ、紅茶
(特にレモンティーと日本紅茶が好き)

【嫌いなもの・こと】
バベルの塔、大したことしてないのに踏ん反り返る馬鹿。

【苦手なもの・こと】
現代器具とか、とにかく現代のもの(すまあとふぉんとやらは使いづらい)、騒音(まるでバベルの管理者が扱う本の力みたいで好きじゃない)

【イメージCV】
石田彰さん

【イメージジュエリー】
スファレライト
タンザナイト

【イメージフラワー】
月桂樹
アンチューサ

【イメージカクテル】
シャンディ・ガフ
キール・インペリアル
アズール

【イメージカラー】
杜若

【イメージソング】
Natural woman
?si=WIogrHJVNjcMEZC2

オノマトペテン氏
?si=uZ4sx8qeyA4iYdzG

死神
?si=Z2Mp8mIE5frHht2e

狼煙
?si=OtBXCO7isyMVEF94
返信
さん (98zj7wdb)2024/8/30 19:50削除
【関係とか】
友達、バベル時代の友人や後輩とかの関係を随時募集中。

宿敵やライバルなどは募集してません❌

恋人などはNL、BL、どちらでも大丈夫です。
攻め受けは問いませんが互いにリバだと都合が良いかもしれないです。
地雷は特にありません。

よく話し合って関係を決めましょう。

楽しめる範囲で宜しくお願いします。
さん (98yvnxis)2024/8/28 08:19削除
【イメージソングの小話】
長いので時間がある時にじっくり見てください。
正直言って先に曲を聴いてから観た方が分かりやすいと思うので。

【1.Natural woman/ビッケブランカ様】
愛を纏った姿
(→裏切る前、バベルが大好きなあの頃。)
実際その裏側をkeep out
(→本心を知られないように、いつの間にか仲間から離れていった。)

油断なし、気がつけばinside out
(→油断大敵、いつの時も知能を持った生物とは深く考えてしまう時がある。いつの間にかバベルを嫌悪するようになり、その場に留まり続けるのが辛くなるほど嫌になってしまって離反し皆を裏切った)
しけこんで今こうなった
(→気が付けばアンダーテイカーという巨大な複合組織を立ち上げて、戻れないところまで来てしまっていた。)

散らかしてハバナイス
(→昔のことを思い出して家ではしょっちゅう荒れているファルサ、片付けは正気に戻った時に。)
目逸らして誤魔化す
(→戻れない現実とバベルに向けられる視線、そして塔と本から見放された事実(人外要素がある本来の自分)に目を逸らし続け今の自分を作り上げた。)

四苦八苦まだ誰も未確認
(→誰も知らないファルサの本性、そしてファルサが苦しんでいる姿。)
鋭く穿つ胸をアイスピック
(→本当の自分を固く隠して。)
ハイキックじゃ見透せぬハイスペック
(→見透せない、見抜けない首脳の本性、本音。)

EZ do dance
(→自分の気持ちを露わにして踊る(=暴れる)のは簡単)
透明なシークレット
(→明るい彼には見えそうで全く見えない秘密を沢山抱えている)
目線泳がす前にtell me
(→自分に関する情報をのらりくらりと誤魔化す。質問には答えろ首脳)

あーどうすればいいんだっけな、
何処で間違ったかな
なんか泣きたくなるな
(→今更になって溢れ出す罪悪感と謝罪したい気持ち、戻りたい気持ち。本来ならば自分の居場所は彼処で、愛すべき仲間と果たすべき使命があった筈なのにどうして今こうなってしまったんだろうか、とずっと自問自答を繰り返している首脳。この時だけはファルサ(偽り)ではなくルシフェル(光を掲げる者)という弱く脆い存在に戻る。それでもアンダーテイカーも好きだし愛すべき仲間も居るから其処(首脳)に留まり続けている。)

と言った形でファルサ(ルシフェル)の心の内として「Natural woman」をイメージソングの一つとして入れさせてもらいました。全部書き続けると蓬が止まらなくなるので1番の歌詞だけで全てお送り致します。

【2.オノマトペテン師/てにをは様】
(※皆さんほぼほぼ知っているそうなので個人解釈などだけ。)
落語や漫才、紙芝居が好き、口調が剽軽、と言った設定を入れるにあたりコレはこの曲を入れなければと思い入れさせてもらいました。
「詞も音と為る」
良い歌詞ですよね、まさに戦場で感情が昂ったファルサが御喋りしながら戦うところを想像して「詞(本の力)も音(武器)と成る」と解釈しました。

【3.死神/米津玄師様】
(※部分的な歌詞のみを挙げます)

くだらねぇ、いつになりゃ終わる?
(→昔の自分とはもう決別がついているので、全てくだらないと思い言葉を葬って世界の混沌してる様と滅び行く世界をさっさと観たい)
なんか死にてえ気持ちで、ブラ ブラ ブラ
(→時折出てくる昔の自分の記憶に嫌気が差して、気分転換として外を歩いているファルサ)

うぜぇ、じゃらくれたタコが
(→嫌いなものに表記した「大したことしてないくせに踏ん反り返る馬鹿」を指して、心の中ではうざいと思っているファルサ)
悪銭抱えどこへ行く
(→組織内の違反者を見つけた。)

そんなけったいなことばっか言わんで容赦したってや
(→正に管理者と高度な煽り合いをして戦ってるファルサくんですね。)
あゝ、面白く 面 面白くなるところだったのに
(→一時撤退という形でお互い身を引いたが良いところまで行ってたのでまだ感情の余韻に浸っている。)

などなど。主に「ファルサ」としてのイメージソングですね、ファルサは首脳ですが好戦的な仔でもあります。この前皆様とお話していた際「管理者と高度な煽り合いをして戦っている首脳」、「でも撤退しなければいけない事態に渋々お互い身を引く」というお話からこういう形でイメージソングの一つとして迎えさせてもらいました。

【4.狼煙/syudou様・cover さんぷる様】
個人的にさんぷる様の癖強い歌い方が合っていたのでそちらを記載させてもらいました。本家はsyudou様です。
(※死神と同様部分的な歌詞を抜粋します)
(※今回はファルサ(ルシフェル)目線が挟みます)

あの歓楽街の場末のバーに
寄り道しなければ良かったんだ
(→自分の気持ちや違和感に気付かなければ良かった。)
したら鮮血も汗も垂らさずに
楽にいれそうだった
(→そしたら今のように仲間や自分が血や汗を垂らさずに生きれていたのに。バベルの仲間たちとも仲良くやれていたのに。)
けど何万回やったってきっと
あの歌にやられちまって最後
深い快楽奈落に堕ちていく
(→でもきっとあの気持ちには絶対気付いてしまうように出来ているのだろう。だから自分が堕ちる運命は変えられない、そしてきっと何回人生を繰り返したところでアンダーテイカーを作るのだろう)

正攻法は歌わねぇ
(→今更戻りたいなんて言わない、またバベルに戻るのは違う気がしたから。)
だって正解なんざ裏の裏
(→正解なんて無い。他に道はいくらでもある。)

また懐古を崇拝 烏合の集会
口揃え「あの頃は良かった」って
(→たまに組織内にいる愚かな奴ら。口を揃えて「いつもなら褒美とかくれる優しい首脳なのに…」だのなんだのほざく。お前らがミスしたから罰与えてんだよこちとら)
笑っちゃいるけど悲しい表情
(→でも仲間からそう言われると顔はニコニコしてても何処か哀愁漂う雰囲気になる。)
そんな目で俺を見んな
(→それはそうとして憎そうな表情で俺を見るんじゃねえ。反省してないのかよ)

それでも松明に火を灯せ
傷口を炎で焼いて塞げ
(→怪我をした?医療班のところに行くには時間がかかる?なら傷口を炎で焼いて塞げ、立ち止まるな。まだ自分の体が動くのなら死ぬまであっしのために尽くして死ね、貴方なら出来るだろう?)
冷徹な眼差しに
その身焦がれども進む業火
(→仲間達からしたら戦場ではいつにもなく冷徹な眼差しで指揮を取ってるファルサは恐怖だし、前線に出てきて傷付いても影を操り言葉巧みに炎の中戦う姿は正にトップだろう。)
油は売らずに身に乗せる
(→トップ同士で戦う時だけは協力を仰がず、且つ自分の力だけで戦う。横槍入れたら許さない)
愚か者が故登るだけ
(→管理者と煽り合いしてる時に「愚か者」と言われたならば、それを否定せずに受け入れ「愚か者だからこそ登り詰めて今此処(戦場)に立っているのです」とか言い出す。)

貴方が残した言葉なら
それでも構わず受け止める
(→どんなに罵られても、それを受け止めましょう。)
今馬鹿見る覚悟の愚直さで
仮面を脱ぎ捨て歩き出す
(→きっとあっしが死んでいなくなったとしてもアンダーテイカーはもう止まらない。首脳が居なくなった分きっと今まで以上に暴れ出すでしょう、仲間割れをして戦力は減ってもきっとずっと、ずーっとバベルに争うものが居る。きっとあっしの力を受け継ぐ者もいずれ出てくるでしょう、ですがそれで良い。それでこそのあっしが創り上げたアンダーテイカーだ、きっと最後の心残りは宿敵を倒せなかったことだけですねェ。ですがあっしはいつ死んでもおかしく無い立場なのでいつでも覚悟は出来ていますよ。)

以上。覚悟が決まっている首脳である「ファルサ」です。この曲を入れた大きな理由はラスサビが大好き過ぎるのが大きな理由ですね、もう一つ大きな理由があるとすれば所々ファルサの能力や生い立ち等に該当する部分が多いことです。
全て良い曲なので首脳を思い出して聴いてくださいね((((





















『おや、まだ見ているお方がいらっしゃったのですねェ。随分と物好きな方だ、こんな小話にさえ釘付けになって見ているなんて…。あゝ!失敬失敬!決して馬鹿にしている訳ではございやせん。其処は御安心を。ええ、ええ…、これら全てあっしを模る物の一つですので。聴いてくれると嬉しいのですがァ…。

あゝ、それから一つだけ心優しい堕落天使からの忠告です♡あっしにとって皆等しく「使えるもの」でしかございやせん。勘違いなどで「お優しい首脳」、「可哀想な首脳」などと思わないで頂きたい、間違いでもそのようなことを言われた暁にはあっし、皆様のことを影でぺろり!と喰らってしまうかもしれませんので………。

ではでは!心優しい堕落天使からの忠告はこれだけです。

皆様とお話出来ることを心から楽しみに待っていますね♡」
返信2
さん (98zj7wdb)2024/8/29 20:44 (No.4418)削除
【質問コーナー】
貴方達はある日大変度胸を持った中性的な記者(アーキビストor人間、どちらでも構いません)に会いました。記者は貴方達に幾つか質問をしたいと言い10の質問(+α)を貴方達にしました。

Q1.自分の持っている本の力に不満や不便さを感じた事はありますか?

Q2.貴方の今最も楽しみとしているものはなんですか?

Q3.何故貴方はバベル/アンダーテイカーに居るのですか?

Q4.今の職場は楽しいですか?

Q5.今の職場に対する不満などはありますか?よければ教えて下さい。

Q6.上司や部下、同僚の方達に思う事はありますか?

Q7.今最も貴方が欲しいものはなんでしょうか?

Q8.貴方の好きなものや嫌いなもの、苦手なものなどを教えてください。

Q9.好きな音楽などはありますか?

Q10.最後です。今居る皆さんに向けて、これから来る仲間達にも何か言いたいことがあればどうぞ。

『+α』
Q.自分の見た目で一番好きな箇所などありますか?良ければ教えてください。

Q.煙草やお酒は嗜まれますか?又、嗜まない方達はこれらについてどう思っていますか?

Q.トップの方達に思う事はありますか?

Q.バベルを守護する皆様へ、バベルの塔を護る、という使命については如何お考えでしょうか?

Q.アンダーテイカーの皆様へ、貴方達はバベルの塔についてどうお考えでしょうか?

↑答えたい方だけどうぞ。

これら全ての質問は制作者が皆さんのお子さんに聞きたいことを纏めました、是非お使いください。後順番を変動させたり、口調を変えたりとか記者の仔の設定変更などはご自由にどうぞ。
返信
返信0