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こちらはソロル専用掲示板です
海老さん (99b26kiz)2024/9/5 20:55 (No.4971)削除
「約束のその後」


「ただいま、ブラン。」
そう言いながら、無機質な表情でこちらを見る弟の隣に腰掛ける。
この子にはこの子自身の自我もあるし、1人で行動も出来るけど、大体はお部屋で本を読んでいることが多い。
その読んだ本の内容も、勝手に共有されてくるから何をしていたか、何を読んでいたかは丸わかりだけど、あえて「何してたの?」と聞いてみる。
答えは返ってこない。そういう風に私がしてるから。滅多に喋らないと言うだけで喋ることはできるけど。
この子にも自我があって、勝手に行動ができる力がある。それで勝手に外との交友関係を深めて、自分の元から離れるなんてことがあってはならない。
たった1人しかいない家族だから。

「あぁ、そうだ聞いてよブラン!私お友達が出来たの!お外にお友達!」

言いたかったことを弟に伝えれば、少し首を傾げられる。
友達の意味が分からないわけじゃない。きっと、『そんなものを作ってどうなる』とでも言いたいのだろう。
先程のとおり、弟はたった1人しかいない家族。その家族に自分がいない場所での交流をやめろと言っておいて、自分は他の場所で交流を深めてました、なんて怒らないはずがない。
でも、怒るという感情よりも先に、その瞳には明らかに心配の色も見えた。

「...わかってるわ、ブラン。私は人間じゃなくて、産まれた時からこの姿で...きっとこれから先、何も無ければ何百年、何千年も生きるんだと思う。...きっと、あの子も置いていっちゃうわ。」

そんなことを言いたいんじゃないだろうけど、どうしようもない、埋めようもないその明らかな溝。
人と、アーキビスト。
見分けはつかないように出来ているし、身体能力にも対して差はない。
生きる時間が違うだけ。
だから暫くはきっと、自分も普通の人間として振舞っていけると思う。
騙しているようで気が引けるけど、せっかく出来たお友達を種族の違いとかで失いたくは無い。
だから、自分のことは種族や何をしているかも含めて全部秘密にしようと思った。
「街で偶然出会った、ただのノワール」としてお友達になるしか無いと思った。
嘘じゃなくて秘密。
そう言い聞かせても、ちょっと息苦しくなるような気がした。

「......ねぇ、ブラン。私はなんでこんな感じで産まれて来ちゃったのかしら...。お母さんもお父さんも勿論ブランもいて、ちゃんと1から10まで順番に成長して、学校にも行って、お友達もいっぱい作って、そして寿命が来たら死ぬ。...そういう風に、産まれたかった。」

弟の肩に勝手に頭を乗せては息を吐く。
私が人間だったら良かったのに。
そしたら、こんな風に悩んだりしなかったのかしら。

「...まぁ、うじうじ悩んでても仕方ないわよね!...そうだわ!ねぇ、ブラン、私宿題出されたから一緒にやってくれる?あのね、お友達と一緒にやりたいことのリストを作りたいのよ!」

時間は有限。
やりたいことはやれるうちにやっておこう。
暗い雰囲気をぱっと切り替えては、まだ使っていないまっさらなノートを引っ張り出す。
表紙が淡いピンク色で、街で一目惚れして買ったもの。特に使い道なんてなかったけど、その表紙に黒い油性ペンで「お友達とやりたいことノート」と書き込む。
何かまだ言いたげな弟の瞳を見ないふりをして、A4サイズの紙に向かってペンを握りしめた。

「えっとねぇ、まずはねぇ...『お買い物』とか!あぁでもあの子からしたら退屈かしら?...退屈にならないようにいっぱいお喋りすれば大丈夫よね!あとは、何かしら。...そうだ、『遊園地にも行ってみたい』とか。あそこって1人で行くのは楽しくなかったけど、お友達と行けば楽しくなりそう!あとはあとは...」

__楽しそうに机に向かう姉を見て、弟はこう思う。
"あんなに他人のことを考えて楽しそうにしている姉は初めてだ。それは喜ばしいことである。"
"それと同時に"
"その期待を裏切られた時、姉は今度こそ正気を保って居られなくなるのではないか。"
先のことを考えても仕方ないし、自分が何を言ったところでこの姉と名乗る自分の分身は止まらない。同じだからわかるのだ。
だから弟と呼ばれる自分は、そうならないことをただ祈ることしか出来ない。
今は彼女がへそを曲げてしまう前に、その友達とやらが課した宿題を隣で一緒に考えてやらないと。
そうして2人セットで買った椅子を引っ張り出して来ては、姉の隣に並んで座る。
その日が来ないことを切に願いながら。
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海老さん (995jfnry)2024/9/2 00:11 (No.4637)削除
[あの日彼女は]


多くの人が知りえない塔に、産まれたばかりのお姫様。
文字通り世間も知らない蛹を破ったばかりの蝶は、産まれた時は自分が何者かなど分からなかった。
彼女が最初に出会った青年は、自分よりも何百年も先に産まれた人だった。
それは、何も知らない彼女にたくさんの物語を聞かせた。
なんでも聞かれたことに尋ね、なんでも与えてくれたその青年に、彼女は自然とは懐くようになった。
なんでも与えてくれる代わりに、彼女は彼のためにたくさん働いた。雑用からちょっと危険なことまで色々と。
いっぱいいっぱい、やったらやった分だけ褒めてくれるから。
青年の名前を呼べば、必ず反応してくれる。
それ以外は何も要らなかった。
お兄ちゃんのように、家族のように接してくれた唯一の人だったから。


でもある日、雷が酷かったその日に、たまたま聞いてしまった。

『いい駒になったよな、あいつも。』
『あいつの力便利でさ、頼めばなんでもやってくれるんだよ。』
『都合のいい、便利なやつだよあいつは。』

その言葉を聞いた瞬間、色々信じていた世界が崩れさって、自分にはなんにも残らないような、そんな虚無感が襲った。
優しくしてもらってたのも、名前を呼んで褒めてもらってたのも全部全部、自分を都合のいい駒だと思っていたが故の行動。
じゃあ、家族だと、大切な人だと思っていたのは自分だけ?
楽しいと思ってたのは、自分だけ?

あぁ、可哀想な白いお姫様。
初めて知ったその薄暗い感情に押し潰されそうになって、それから逃げるために必死になって言い訳を考えて。
そうして出した結論は、「バベルから離れる」ことだった。
彼女にはもう、自身の写し身である弟以外信じられるものは何も無かった。
優しかったあの管理者でさえも、今では信じられないものに変わってしまったから。

だからごめんなさい、気持ちの整理がつくまで逃げさせてほしい。
いつか大手を振って帰れる時が来たら、その時にちゃんと謝るから。
周りを信じられなくなって、ごめんなさい。
私が弱くて、ごめんなさい。
つまらないだなんて嘘なのよ、楽しい場所だったし、楽しかった。
ただ私が弱かったから、楽しめなくなってしまっただけなの。本当に嘘じゃないの。
私には、もう、ブランしか信じられないから。
だから、ミネルヴァさん...いいえ、管理者のお兄さん。

どうか、どうか私を許さないでいてね。




























「こんにちは!真っ黒なお兄さん!貴方がアンダーテイカーの首脳さん?」
「ねぇ、私と弟も仲間に入れてくれない?...そうね」

「きっと、いい駒になるから。」
返信
海老さん (99653iqu)2024/9/2 10:17削除
色々な補足( という名の書き足りなかったこと )

今現在、ノワールが人の名前を滅多に呼ばないのは、誰も心の底から信用していないからです。
現在の仲間であっても、かつての仲間であってもそれは変わりません。
そうして信用して、また裏切られるのが怖いからです。
それでも、彼女は皆さんのことが「だぁい好き」なので笑顔で愛嬌を振りまきます。
裏切られないように、1人ぼっちにならないように。
また、わがままで人を振り回す行為も意図的に行っているもので、昔はむしろ他人の言うことをよく聞いて行動する文字通りの「良い駒」だったせいであのような結果になったと本人なりに考え、今は真逆の性格として振舞っているようです。
ただ、完全にその性格になりきるのは難しく、未だにちょっとだけ「良い駒」だった頃の行動が出てしまう時もあります。

最後の独白もどきも、実際に言ったわけではありません。ごめんなさい、も、許さないで、も全部彼女の心の中で思っていることです。
実際にバベルを出た時は、「ちょっとお出かけしてくるね!」で、そのまま帰らなくなったというのが事実です。
許されようとは思ってないし、今更帰れるとも思っていません。
それでも里帰りと称して覗きに行くのは、まだちょっと未練があるからなのかもしれません。
今の彼女にはバベルに戻る気はありませんが、もし、どこかで出会った誰かに「戻ってきても良い」「帰る場所がある」なんて言われたら、その決意も揺らいでしまうくらい、今の彼女は脆い精神を抱えています。
まだまだ、幼い15歳ですからね。
返信1
さん (98zj7wdb)2024/9/1 19:54 (No.4597)削除
#【端が焼け焦げた一通の便箋】

(何故かグロ描写が出来ました。注意してください)
(場合によっては削除してリメイクしたりとかもあるので、とりあえず元のお話的な感じで読み進めてくださるといいかもしれないです)


数千年前のバベルでの出来事。この日は今で言う6月2日で、燃え盛る様な夏の日でした。
ですがそんな昼時から針はずれていき、時刻は18時という夜と日の境目がまだ見える時間帯を指していた。

夜と日の境目を窓越しから見つめる一人の男性。






『あゝ』


声を発したのは司書長の一人であるルシフェル。


いつもの彼からは発さない様な、何処か暗い声色なのがわかる。日が沈み、頭上から夜が降りてくるその景色を窓越しに見つめる姿は誰がどう見ても哀愁漂う姿だった。

あまりにも白過ぎる長髪を下ろし、オーロラの様にきらきら眩く光る美しい白い瞳は何処を見詰めているのか。


『…日が落ちる、夜が来る』

悪夢がやってくる。


「ルシフェルさん!」


何処か遠くを見ていた淀んだ白色の瞳を後ろに向けて声をかけてくれた愛らしい後輩を輝きを取り戻したオーロラの様な白色の瞳で見つめた。優しい声色で、どうしたんだい、そう聞いて目線を合わせるだろう。後輩が少しだけ視線を泳がせ、彼に言った。


「人間の友達が…し、んじゃって………それで……その…私その子の埋葬に立ち会いたいんです…でも、今日の書庫管理は…私で…でも、でもっ、人間の友達の最後を見届けたくてぇ゛……」


人間の友達。此処最近この後輩は休憩時間などに人の街に降りていた理由が分かった、この子には大切な友人が居たからだ。後輩は人間の友達を思い出すだけで泣いてしまう様だった、後輩の頭に手を伸ばしよしよし…、相変わらず優しい声色で宥める。


『あっしが、今日の書庫管理を代わりましょう。大丈夫ですよ、他の方達にはあっしから上手く言っておきます。…さぁ、涙を拭いて?その愛らしい顔をあっしに見せてご覧?……うん、きっと貴方の御友人も泣き顔なんかで見送って欲しくないですよ。』


『人は泣いて誕生し、笑って終焉を迎える。』


『あっしらは違いますが、どうかその子の前ではいつもの素晴らしい貴方の笑顔で見送ってあげんしゃい。』


「ぅ゛…〜〜っ、う、はいっ!わたじ、いってぎま゛す!!」


『うん、いってらっしゃい。愛い仔。』



後輩は泣きながら良い返事を彼に言った。そして慌てた様子でその場を走り去った。




本当は全部分かっていた。

あの子が此処にくることも、友人が死んだことも。



だってあの子の友人を殺害したのは

〝彼〟だ。



あの子の友人は様々な犯罪に手を染めていた、あの子は其れを知らずに、疑うということもせずに友人を愛し、あの子の力を使ってあらゆる情報を友人は仕入れていた。
終いにはバベルの情報やアーキビストの生態をあの子を使って聞き出そうとしたのだ。

そしてあの子はやってしまった。

人間に〝本の存在〟を教えてしまったのだ。



其れは禁句とも言える大罪。

本来ならばあの子が罰せられてもおかしくなかった。

でも彼は見ていられなかった、其れが偽善と言われても構わない、彼はその罪深き人間を殺す事で赦して貰おうとした。

だが間に合わなかった、もう既にバベルや本の情報は出回り、裏組織にまで情報が出回ったのだ。

まだ上の者には知られていないのが不幸中の幸いか。
彼は彼の能力「百鬼夜行」を使い、人間を事故死に見せかけて殺害をし…其れが周りにも伝わる様に色々細工をして今日の埋葬まで持っていった。



これが彼の計画の一部だ。

彼は、今この時この塔を、仲間を裏切ろうとしていた。

仲間を利用した最低最悪な行為。

其れはとても、とても許されない事。

彼がこの様に走った原因は彼自身にあった。

彼は「表面上」弱くなど決してなかった、明るく、正に光を掲げる者に相応しい。彼は決して仲間を見捨てず、分け隔て無く愛した温かい皆の司書長!

だが彼の本質は弱い精神の持ち主で、このバベルに生まれてからというもの彼はあらゆる者や人の子に絡んでいくうちに悟ってしまったのだ。

「己が居るべき場所は此処ではない」と。

彼は気付くべきでは無かったことに気付いてしまったんだ。

だから能力を使い、密かに立てていた計画を進めていた。

彼は全てを分かっていた、この塔の中でも飛び交う「悪しき感情」があるのを。

外の世界でも其れは変わらなかった。

そしてついに彼は思ってしまったのだ。

『バベルも外の世界も変わらないのならば全て壊してしまおう』と。



誰も彼を疑わない、疑おうとしない。

何故なら彼が其処までの〝信頼を得ている〟から。


『…さあ、時は満ちた。』

『〝この塔から出よう〟』

そして準備が整い次第、

全てを壊すんだ。

そう、全てを。




沢山の本を自分の影に詰め込むように入れて、自分の荷物も、情報も、全てを影に仕舞い込んだ

塔は全てを知っている。


彼は己の髪が白から黒く変化していくのを感じた。

瞳も、体も、全てが変わっていく様な感覚が体中に走る。


自分が生まれた発端の「百鬼夜行」の本や、まだアーキビストが生まれていない本、重要な本、兎に角あらゆる本の場所を彼は知っていた。


なんてたって彼は「バベルを愛する司書長」

書庫の何処に何の本が置いてあり、どんな能力か、全てを記憶していた。

粗方お目当ての本を詰め込み終わると肌が焼ける様な痛みに思わず膝をついて真っ赤な血を吐き出した。


『っかは゛…ッ。』

『ッ、ッ…あつい、からだがッやける゛……ッッ!!!』


物理的な頭痛さえも催し、背中からも激痛が走るのを感じた。思わず嗚咽を繰り返したが彼は泣かなかった、どんな痛みが体を襲おうと彼は決して泣かなかった。だが痛みは増す一方で、まるで早く此処から立ち去れとでもいう様な激しい痛み。

大量の血で床を染める、其れでも彼は立ち上がろうと本棚を掴み寄りかかる様にしながら立ち上がった。体に浮かび上がる黒い痣、そして関節の節々が変化していく。

彼は古き友人達に対して一通の手紙をこの膨大な本棚に詰められた本の間に影を使って忍ばせた。

呼吸が上手く出来ない

まるで肺を潰された様な痛みに思わず大声を上げそうになった

歯を噛み締め、声はもう出させまいとし、獣の様に呼吸を荒げたが、強くなる痛みに再び血を吐き出した。

余りの異臭に他のアーキビストが気づいたのだろう。

彼を呼ぶ愛おしい声達


「ルシフェルさん!」

「ルシフェル!」


此方に向かって大きな声で、心配した声色で言ってくる愛おしい仲間達

嗚呼、なんて優しいのだろう。


なんて〝愚か〟なのだろう。










目の前が霞む。


滴る、真っ赤な液体

ぴちゃん、溜まった小さな真っ赤な池に水滴が落ちる音で正気に戻った

愛刀である大太刀を…真っ赤に染まった大太刀を握りしめている彼






目の前には愛する仲間達の〝亡骸〟


愛すべき仲間を殺めてしまった彼

そんな彼を見つめる他の仲間達


「ルシフェル…さん…?」


絶望した声と多数の悲鳴がその階に響いた


呼吸が早くなるのを感じる


ふと、血溜まりに映る自分の姿を見た


黒い渦を描く様に生えた角

体中に彩られた黒い痣

鋭く黒い指先

尖った耳

髪の毛も同様、黒く染まっていた

まだ背中が痛む感覚

徐々に本当に怪物になろうとしている姿



そんな自分の姿を目の当たりにした彼



『嗚呼…もう、あっしはバベルじゃないと貴方は、いうのですね』



完全に塔から見放された姿

どうも正気がないうちに本の違反契約をしたらしい

愛する仲間、いや

〝愛していた仲間達〟は彼に武器を向けていた。


今更になって塔の中は阿鼻叫喚だった。


「どうしてなんですか?!」

「何故貴方が…!!!」

「ルシフェルさん!!」

「どうして…!?」



武器を向けていても中々彼を殺さない愚かな元仲間達

嗚呼、自分はこれほどまでに愛されていたのか。


ただ使命を全うし

ただ本を見て

ただ世界を見渡して


ただ仲間達を導く者として当然のことをした


いや、これほど愛される原因はこれらか。



胸の内が暖かくなる。

でももう全て遅い、遅いのだ


武器を構えても、大勢で居ても何もしてこない仲間達を他所に彼は古き友人たちが来る前に影の中に姿を消そうとした



最後に彼は後ろを振り向き、元仲間達に言ったんだ


『今いる皆さんに最後の司書長の伝言を言い渡します、あっしの古き友人にも教えてください。




ひとつ、どうか、あっしを赦してください


この塔を


仲間である貴方達を


裏切るあっしを赦してほしい



ふたつ、今迄嘘を吐いて御免なさい。







〝あっしはバベルに生まれたことを後悔してます〟』




今までの彼が言っていたこととは真逆な事。

彼は「バベルに生まれてよかった」とは言わずに、真逆なことを皆に言った。

バベルに生まれたことを後悔していた彼。

本当に赦して欲しいだなんて思わない、赦されると思ってなどいない。

むしろ憎め、憎んで憎んで、歯車が壊れた自分を殺して欲しいとまで思った


泣き崩れたり泣きながら怒る愛した仲間達を背に彼は困った様に笑い、そして最初で最後の〝涙〟を流した。
弱いなりにも彼はバベルを愛し、愚かな仲間を愛し、この世界を愛してしまったから。

彼はきっとこれから敵対され、追われる人生を生きていく

彼は覚悟を決めて影を潜りその場を後にしてしまった────







さようなら、愛したバベル、全うすべき使命、愛おしい仲間達、そして今も愛してやまない古き友人達よ。








その後彼の起こした事件や離反した話は瞬く間に塔内で広がり、管理者の耳にも入り、全アーキビストにも伝わった。

だがあれ以降彼への手掛かりは掴めておらず、
その事件や彼が離反した話は出すことを禁じられる程の事態へ行き、その時は其れで収束したのだった。


#【もう戻れない6月2日】
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主催さん (98twtq9o)2024/9/1 01:24 (No.4539)削除
(司書長であった彼について語るのならば、良き仲間、と言い表すが正しいだろう)

「────今、何と言った?」

(日頃からかの司書長は、よく口にしていた。

"バベルに生まれてよかった"

その心を疑うことなどありはしなかった。
その働きを軽んじたことなどなかった。

信頼の比重は大きかった)

「貴様。下手な嘘を言えば、アポロンのカラスの二の舞では済まないよ。──もう一度、同じ言葉を述べたまえ。…………かの司書長が、どうしたと?」

(報告を持って来たそのアーキビストは、芯から震えるその声で、同じことを言った。全く変わらぬ言葉を、残虐に、残酷に、無慈悲に吐き出した)


"司書長████が、離反しました"


(離反。裏切り。背信────


裏切った?


頭の奥で炎が弾けた。
何か言おうと開いた口の先で、声が枯れて死んでゆく。
指先から血が引く。温度が息絶える。目の奥で真っ黒く燃える感情が何なのか、とっくに理解はできていた。

仲間を、恨みたくなど。
なかったのに)


「────ッ、……ぐ……、…………追手を。疾く……全アーキビストに████のことを通達したまえ。……『本』は?無事なのかね?」


(拳に篭った力を、必死に逃す。

最重要事項を口早に問うと、アーキビストは目を逸らした。
聞きたくもない答えが、ひたりと伝う。

無事ではないのだ。
とられた。盗まれた。やられた!

守るべきモノ。かつて人が築いたモノ。文明の墓標を、未来を記すペンを、バベルの宝を!)


「────あぁあッ、このッ!!」


(拳を叩きつける。小さなテーブルが悲鳴をあげた。

びく、と目の前の部下が肩を震わせる様は見えていた。それでも、止められなかった。

はーッ、はーッ、と喉を焼く呼吸がケダモノのようだ。
経験したことのない激情を飲み込もうと苦心した果て、必要ないほどの大声が口を突く)

「────なにをしている!君も捜索に加わらないか!『本』までやられたのだぞ、何たる……!」

(その先を飲み込む。飲み下す。嚥下する)

「……疾く。まだそう先には行っていないはずだろう。……探し出し次第、即刻僕の前に連れて来るように」

(慌てて部屋を辞した部下を見送る。

見下ろせば、バベルは俄かに慌ただしかった。通達は滞りなく塔を巡ったのだろう。昨日までの平穏とは、大違いだ。

誰も来ないように、しずかに鍵を閉める。

口を開いてしばらく待ってやれば、飲み込み損ねた言葉がたちまちあふれた。
憎しみではない。怒りでもない。嘆きと悲しみ、或いは落胆と表すべきそれ)


「…………なぜだ」


(あんなに、言っていたではないか)


「なぜだ……」


("バベルに生まれてよかった")


「なぜだ、ルシフェル────!」


(……………あれは、嘘だったのか?)
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さん (98y79v68)2024/8/31 21:52 (No.4513)削除
_____敵がいる?良いことだ。それは人生の中で何かのために立ち上がったことがあるという証だ。







※戦闘描写によるグロテスクな表現があるため注意









略奪とは俺にとって一番身近で馴染みのあるものであった。与えられるのを待っている事が出来るのは時間と金に余裕がある者だけ。何もしなければ身包み剥がされてから干からびるだけなのだからそういう趣味のある自殺願望者じゃなければ奪って食い扶持を確保するしかない。もし興味本位で貴い慈悲の心と憐憫を抱き、その髭犬達に施しをしたばかりに哀れな被害者になってしまったのなら仕方ない。恨むのならその場に居合わせた不運とそれを許す社会を恨んでくれ。
争いごとにおいて重要なのは俺の自論でもいくつかあるがまず最初にあげるのなら自分本位な精神性だろう。どんなに優れた技術を持っていたとしても肝心な時に他者を気遣って満足に使う事が出来なければ素人と大差ない。周りを踏みつけて上へと這い上がろうとする気概が無ければ止めてしまえ。とまあ既にこういう所が善人に眉を顰められる由縁だろう。それと悪運。狡猾で生き汚い奴程これで息が出来ている。ああいうで己の欲望に忠実に従って殺人をする悪逆に満ち溢れた奴らが簡単にくたばらない度に、善悪は生死に関係が無いって思い知らされる。
なら俺はどのパターンだって?確かに俺は同じ時間を共有した間が数分だろうが数年だろうがそいつを害する心情とやらは変わらない。薄情だって?そう言いたいのなら勝手に言っておけ。まあ一丁前にこういう文句が口からいくらでも出るその点で自我(エゴ)とやらは強い方だろうな。ちなみにこれは自慢じゃなくて周りから言われた客観論だ、そこは間違えないでくれ。
それと悪運については…どうだろうな。俺は今までの不運と天秤で釣り合わない程の幸運に恵まれた極少数だ。多分まともな参考にならねえよ。






とまあそんな説教染みた演説はさておき、ここからはお待ちかねの実践といこう。
今回のお題はそれなりに縁と馴染みのある組織の資金を横領したという裏切り者達に対する奇襲による殲滅。暗黙の了解を勝手に破った事によるいざこざもその報復のための助太刀として指名されるのもまあ良くある事だ。獲物は3体。量や質はさておきそれにありつけるだけで良いと思った方が変に力が入らないから良いぞ。
まずは彼等が3人揃っているのを確認する。そして手元に閃光弾を取り出してピンを引き、視界が奪われた瞬間に間合いを詰め、反撃をされる前に素早く刀を振るう。1人目は真っすぐに胸部を斬り付けたから直ぐにくたばるだろう。2人目は闇雲に銃を発砲し自らの場所を分かりやすく示してしまったばかりに背面から心臓へと剣先が覗いた。これも直ぐに同じようになる。3人目は……おっと、襲撃であると気付いて逃げたか。戦場では恥ずべき行為だが此処では最適解と言って良いだろう。刀についた血を振り払いながらも何時反撃されても対応出来るように警戒は緩めない。本当の臆病者であれば仲間を見捨てて一目散に脱出するだろうが、信頼だのなんだの余計な結託を結んでいるやつらならその行動は取らない。ではその場合どうするかって?
「っ、」
思っていた通り、僅かに動かした顔へ届けられた銃弾が頬を掠めて血が流れる。この展開は数十秒先の本の力(ネタバレ)で分かっていた。というか使わずともそもそも僅かな呼吸と殺気が消えていない時点でバレバレなんだよ。
「仲間を想う余裕があった事だけは褒めてやるよ」
だが勇敢は何時だって正しいとは限らない。時にそれは無策な愚か者と呼ばれる時だってある。
3人目は最初で最後の決定打を外してしまった事を理解して、もう物陰に隠れる理由は無くなったとばかりに正面へと躍り出てひたすらに当たれと祈らんばかりに撃ち続ける。攻撃は最大の防御、なんていう美辞麗句を体現する行動としては相応しいがしかしながら俺を仕留める事に注視するあまり軌道が一度で済む上ばかりを狙っている。確かに頭や胸の方が手っ取り早いがそれを理解していれば避ける方法は思いつく。なるべく低い体勢で距離を詰めていく。すると相手はバカを見るように困惑を滲ませながらも必死に当てようと更に躍起になる。その怯えを嘲笑うように突撃兵の如く突き進み、その勢いのまま大腿部に刃を滑らせた。
案の定、足を斬り付けられたせい蛇口を捻った様に噴き出した赤い水で大きくバランスを崩していくその瞬間を見逃す訳もなく。直ぐに刀を手放して床に両手を付き、回し蹴りをして銃を蹴り飛ばす。驚きの顔を隠せないまま重力に押し付けられる様には目もくれず、直ぐに体制を立て直すと蹲りながらとめどなく生命が流れる大腿を抑えているその間に刀と蹴り飛ばした銃を素早く拾い上げた。こうやって跪かせる事が出来れば後は簡単、苦痛から解放させるべく眉間に一発ぶち込むだけ。
「好き勝手やっても良いと言われていたが…‥流石に荒らし過ぎたか」
目の前の争いに夢中になって後始末をろくに考えないのは悪い癖だ、と作り出した惨状を見てそんな感想を抱く。昔からの癖を捨てるのは諦めてせめて汚れの目立たない服装にしてはいるがやっぱりどうしようもないなと小さく溜息をつく。多少派手な方が報復として良いだろうし、その掃除をするのは俺の役目じゃないならそこまで深く考える必要はねえか。
それよりも咄嗟とはいえ床に落とした刀の具合が悪くなっていないかどうか……良かった、見た感じ刃こぼれはしていない。
あ、こういう切り替えの早さっても大事かもしれないな。せめて自分が築いた戦果の上で飯を食うぐらいの図太さがあれば困らねえ。
まあ言える事といえばこんな感じか?ほら、これ以上用が無いなら帰った帰った。後は大人の時間って奴だからな。その先を進みたいのならせめて武器を持つ手の震えを抑えてから出直して来い。悪人になる覚悟と運を得たのなら…”また”なんていう機会が得られるかもしれないぞ?
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濃口さん (98yc388w)2024/8/31 21:36 (No.4509)削除
#【質問コーナー】

※テンプレートをお借りしております、ありがとうございます!!!


天地が逆さまになった世界の中で、哀れな記者は思考する。
今までずっと取材対象を追ってきた自分が、まさか狩られる側に回る日が来ようとは。
目の前で拳銃らしきものをいじくる男は、私の姿を見るなり興味を失ってしまったようだった。武器も何も携帯していない、明らかに筋力も平均並みな私を見て、警戒する必要もないと判断したのだろう。どうして落胆しているのかは不明だが。
──極論、彼は今、余所見をしながらでも私を殺せる。この男が少しでもその気になった瞬間、私の首に巻かれた糸があっさりと頚椎をへし折るのだろう。
「……それで?オマエは何しにここ来たんだよ。報告しなきゃなんねえから、詳しく…あ、でもテミジカにしろよ。報告書書きたくねーし口頭で伝えるからな。」
詳しく、でも手短に。やや無茶な要求だったが、これまで記者として培ってきたプレゼン力を総動員してこちらの目的を伝えようと試みる。何しろ命が掛かっているから私も必死だ。暫く黙りこくって聞いていた男は、「ふーん、」と気のない返事をしてホルスターに拳銃をしまう。ホッとしたのも束の間、不意に彼が指揮者のように腕を振るった。何をしているのかと思うまもなく、私が逆さ吊りにされているのとは別の、だがすぐ傍の木がすっぱりと両断されて年輪を見せる。ずしん、と重たい音が一拍遅れて森に響き、驚いた鳥が何羽か逃げてゆくのが見えた。
…成程。へし折られるだけでなく、ああなる可能性もあった訳だ、私の首は。
出来たてほやほやの切り株に腰を下ろし、こちらを見上げる彼の目が言っている。それには私も同感だ。彼の目が言う通り、やるべき事をさっさと終わらせよう。

───以下、記者の驚異的な記憶力によって後日書き起こされた取材内容。

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Q1.自分の持っている本の力に不満や不便さを感じた事はありますか?
「あ?あー……あんまり無ぇけど、コレ、近けりゃ近いほど感覚がはっきり伝わってくるんだよ。だから今はオマエの体温が伝わってきてるし、心臓がバクバクうるせえのも分かるぜ。リラックスしろよ、俺様まで落ち着かねー。」(それは無茶だ。)

Q2.貴方の今最も楽しみとしているものはなんですか?
「……コネコって分かるか?溜まり場でよく会うネコが居てよ、今度赤ん坊が産まれんだと。近くで見てた爺さんが教えてくれた。アイツらは、何も無ェとこからぱっと増えるわけじゃねーんだな。」

Q3.何故貴方はバベルに居るのですか?
「俺がたまたま生まれたのがバベルで、ここから出てく理由が無ぇからだよ。またイチから巣を張り直すのもだりィしな。…ンだよそのカオ〜、冗談だっての。俺は俺が生まれた場所がスキ、ただそれだけだ。他に行くところはねえよ。」

Q4.今の職場は楽しいですか?
「楽しいぜ。戦って勝ったら褒めてもらえるしな。」

Q5.今の職場に対する不満などはありますか?よければ教えて下さい。
「不満ン?あー……他の人間には見えねートコ。この間どこで働いてんだって言われたから、ココだっつったんだけどよ…普通にイカれてると思われたぜ。…あれ?じゃあココを嗅ぎ当てたオマエも普通の人間じゃねえのか?いいな、見た目は弱っちいのに。怒らねえから反撃してもいいんだぜ。」(できないしその力が無い旨を伝えると、少しの間拗ねたようにそっぽを向いて三つ編みを弄っていた。喧嘩が好きなのかもしれない。)

Q6.上司や部下、同僚の方達に思う事はありますか?
「頭イイやつらばっかだよな。頭良すぎて損してんじゃねーかってくらい。…俺なんかよりずっと色々考えてっから、たまには人間のマネして一日中寝るとかしたらいいんじゃねーの。休めよ。」

Q7.今最も貴方が欲しいものはなんでしょうか?
「養蜂場とそれの世話するオッサン。そしたら無限に蜂蜜食えるだろ。」(蜂蜜も好きなのだろうか?)

Q8.貴方の好きなものや嫌いなもの、苦手なものなどを教えてください。
「甘いモノならなんでも好きだぜ、嫌いなのは苦いヤツだな。食い物以外?そうだな…。…この間、街で知りあったヤツが映画に連れてってくれてよ。蜘蛛のヒーローのやつ!あーいうアクションが派手な映画は、やっぱ好きだな。キライはまだ分かんねーが、盛り上がらねえのは途中で飽きちまうと思うぜ。」(喋りながら私のポケットから落ちかけていたメモ帳を抜き取り、そこに"蜘蛛のヒーロー"とやらの似顔絵を描いてくれた。私も知っている有名なキャラクター。どうやらイラストは得意らしい。)

Q9.好きな音楽などはありますか?
「いーつのことだか思い出してごーらん、ってヤツ。タイトルは知らねえな、その辺のガキが歌ってた。 」(意外にも音程は取れていた。)

Q10.自分の見た目で一番好きな箇所などありますか?良ければ教えてください。
「はあ?あー…、自信あるパーツってことか。ならダンゼン、腕とか腹だ。この一年で大分鍛えたんだぜ!ココとかココとか、結構がっちり硬くなった。でもオマエには触らせてやんねえ。」

Q11.最後です。今居る皆さんに向けて、これから来る仲間達にも何か言いたいことがあればどうぞ。
「言いたいことォ?そういやよ、みんなで旅行に行ってみてーよな。沖縄とか!ああでもバベルは無人に出来ねえか。あー、あとは…、…そーだな、オマエらのことはスキだから、オマエらがスキなバベルはちゃんと守るぜ。俺がダメんなるまでは頑張ってやる。任せとけ。…アンダーテイカーの奴らは、これからもその調子で殺しに来いよ。全員悔いが残るような生き方しやがったら許さねえ。……ってとこか?最後っつってたし、これでもうオワリでいいよな?」

----------------

彼のその言葉に一瞬どきりとするが、終わるのはインタビューで、幸い私の命の方ではないようだ。彼が腰を上げると同時に、私の首から下をぐるぐる巻きにしていた銀糸が嘘のようにするりと解ける。こうして私は久々に地面との再会を果たし、痛む節々を擦りながらも立ち上がる頃には、銀髪の男は影も形もなくその場から居なくなっていたのだった。────今度からは、きちんとアポを取ってから来ることにしよう。蜘蛛の巣に引っ掛かっても、甘んじて見逃して貰えるように。
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さん (98zj7wdb)2024/8/31 08:06 (No.4479)削除
#【遥か遠い古き記録】










(─────此処はバベルの塔と呼ばれる、通常生物は可視出来ないとされる巨塔。その巨塔は言葉の誕生と終焉を司るとされていた────)









『いや〜、やっぱり良いですね〜ッ!!!塔の上から見るこの景色!天晴(あっぱれ)天晴(あっぱれ)!この景色を見る為に、そして────塔と本を護る為に生まれたと言っても過言では無いでしょう!ま、こんな可視化出来ない…下手すれば世界が壊滅してしまう程の危険性を秘めた塔を襲撃する阿呆等居りませんがね〜。ですが、本を護るという素晴らしい生業…此の世の何処を探してもありはしません。矢張り、〝バベルに生まれてよかった!〟』


(時は数千年前の巨塔。外の世界も今程発展はしておらず巨塔の周りも木々が生い茂り、塔の最上階へと登ると遠くの海やら民家、農家の広々とした畑や牧場、栄えた街が見える程度の高さで思わず見詰めているだけで時間経過してしまいそうな程己にとっては素晴らしき景色が其処から見えた。柵に身を乗せ当たり前の様に、そして何時もの様に大声で言うのだ。『バベルに生まれてよかった!』と。木に宿る妖が言葉を返すように遠くの方から自分の声が返ってきた、それを聞いて思わず笑みを溢しながら扇子を仰ぐ。そう彼の名前は「Lucifer/ルシフェル」、此の塔の司書長の一人をやらせてもらっている者だ。束ねられた美しい白髪、オーロラの様な輝きを放つ白き瞳に生まれついての顔にある青い模様、そして東洋に伝わる和服と羽織を身に纏っているのが特徴的な華奢な美しい男性。きっと今頃人間に生まれていたら此の様な素晴らしい景色にも会えなかった事だろう、それだけは絶対に嫌だ、そう思える程に自分はバベルを愛し仲間を愛している。其処に例外は無かった。此の場所に生まれてからというもの毎日が順風満帆で美しくて、自分が望んでいる一番のことだと信じてやまなかった。)


『さあさ!こんな快い天気には本とさんどいっち、それから茶ですよね。もう此の塔に置いてある本は全て読み切ってしまった…、態々人の街にまで出向き買った人の作る本が如何いうものなのか見るには相応しい日でしょう!』


(そう言って鞄の中から取り出したのは数冊の分厚い本に籠に入った沢山のサンドイッチと容器に入れられた御茶、中身は英国と呼ばれる場所で伝わる伝統的なである「紅茶」だ。此れも先日取り寄せたものである。分厚い本を野掛けの上に置きサンドイッチの入った籠と紅茶の入った容器も置いた。さあ!これで準備は万端だ!そう思い、一冊目の本を開いた。)










(─────本を無我夢中で読んでいると日が沈み、夜の帳が下りていた。黒き鳥が宙を舞い、まるで夜を知らせる様な鳴声を発しているのが聞こえる。最後の本も後少しで終わるというところで最上階へ行ける扉の方から聞き覚えのある声が響いた。)


『……おや、おやおや、もうこんな時間…。すいません、我が友。如何にも地上の…それも人間が作る本を読むのが楽しくって…ついつい…時間を忘れていました。勿論、バベルの本が一番なのですが如何にも人間の作る本も惹かれるものが何冊がありやす。…して、今日の見回りはあっしでしたね。』


(それは古き友人の声だった。何時迄も最上階から帰ってこない己を心配してやってきたらしい、申し訳なさそうに眉を下げて苦笑いをする己の姿に古き友人は「次からは気をつけるんだ」という優しいお咎めで許してくれた。聞き慣れた古き友人の声に思わず微笑んでしまい、礼を一つ告げ。折角の読書時間も終わりを迎えた、己はまた仕事に戻らなくてはならない。何処か名残惜しさを感じつつもう中身もない籠と容器を鞄に詰め、野掛けも折り畳み、本も栞を挟んで閉じて仕舞った。嗚呼、如何にも此の時間がいつも名残惜しい。本を閉じてしまった、ただそれだけのことが己には「それだけ」とは思えなくて悲しみまでも覚えてしまう。)


『ゑ?〝名残惜しいのか”って?そりゃあ勿論。一度見回りに出てしまっては中々本を読む時間は取れません、何せ貴方も御存知の通り…此の塔は、生物には見えないものの余りにも膨大で、あっしらにとっては存在感がどうにも有りすぎる…。此の頂点から一度歩き始めて、本を確認しながら進み、外に出る為の扉を潜るまでに何時間、何日と掛かるのやら…。まあ!あっしにとってはそれも楽しみの一種なんですけれどね!』


(まるで幼い人の様に明るい声色で、先程の悲しみなんて吹っ飛ばしました!と言わんばかりに彼は明るく答えた。名残惜しいが決して読めなくなったわけではない。時間を見つけてまた続きを読めば良いだけの話、此の命は本が無くなるまで尽きることを知らないからね。鞄を背負う前にいつの時も着けている羽織に腕を通し、鞄を背負った。黒くも金と白の刺繍が施された一品物、脱いだことはあっても片時も離したことはないものだ。よし!と声を上げて友人の隣に立ち、言った。)


『戻りましょう!我が愛すべきバベルへ───』


(彼は友人の手を引き最上階の扉を潜り姿を消した。)




(最上階に残ったのは夜の空に散りばめられた数々の小さき灯火と澄んだ空気だけ。今宵もまるでバベルで生まれた命と言葉を祝福するかのように小さな灯火が燈ったのだった──────)
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海老さん (992m74kb)2024/8/30 23:05 (No.4473)削除
#【質問コーナー】


( その日は偶然1人でした。弟も、勿論仲間も居ない日。そんな日にお外を出歩いていたモノクロが良く似合うわがままお姫様のところに、1人の記者がやってきました。訝しげに見つめるお姫様に目線を合わせるように膝をつき、その記者は取材のことを告げるのでした。)

「まぁ、まぁまぁ!私に取材?すごいわ、いい度胸!私の機嫌が良くなかったらきっと蹴り出してたけど、今日はいっぱい褒めてもらった後でハッピーだから、なんでも答えてあげちゃうの!でも姿勢はそのままね?質問する立場で私を見下げるなんて許さないわ。」

( 嬉しそうに答えたお姫様に対して、その記者は膝をついたままメモを開き「自分の持っている本の力に不満や不便さを感じた事はありますか?」と尋ねました。)

「ないない!絶対ないわ!だってそれがないとブランは存在し得ないもの。戦闘力に直結しないと思われがちだけれど、純粋に攻撃にさえ当たらなければ私が2人増えるのと同じだから、実質戦力2倍なのよ。」

(そう語るお姫様の横には普段はブランという騎士が居るそうです。記者は素早くメモを走らせると、次に「貴方の今最も楽しみとしているものはなんですか?」と尋ねました。)

「そうねぇ...明日が来るのが楽しみ!何かがあるとかでは無いけど、明日って何が起こるか分からないドキドキがあるじゃない?だから楽しみなの!街を歩いたら色んな発見があるしね!」

( ロマンチックに語るお姫様に相槌を打ちながら、「何故貴方はバベル/アンダーテイカーに居るのですか?」と尋ねました。段々と、お姫様の表情がつまらなそうになっていくのには目を背けて。)

「バベルがつまんなくなったから?それ以外にないのよ。毎日ずうっと、本を守ることばっかでつまんない!!それなら〜って思ってアンダーテイカーに入ったんだ〜。...これ聞いて何になるの?」

( 前の職場の話は、お姫様的には気に入らなかったらしい。慌てた記者は話を切り替えるために「今の職場は楽しいですか?」という問いを投げかけた。)

「うん、楽しいよ!人間ともお友達になれたし、みぃんな大好き!でもお仕事はたまーにちょっとつまんないかなぁ...嫌!って時は、ブランに代わりに行ってもらうの。」

( どうやら少し機嫌が良くなったみたいだ。ここにいない騎士は、もしかしたら今も彼女の代わりに仕事をこなしているのかもしれないね。良いことを聞いたのなら、次は悪いことを聞くべき。「今の職場に対する不満などはありますか?よければ教えて下さい。」と尋ねた。)

「不満〜?嫌!って思うこと、ってこと?うーん......う〜〜〜ん、今は無い!つまんない日はたまにしかないし、みんな優しいから、私は好き!」

( どうやらお姫様はご機嫌のようだ。職場全体から、次は人間関係のことについて聞いてみよう。「上司や部下、同僚の方達に思う事はありますか?」と尋ねた。きっと同じ答えが返ってくるだろうとあまり期待はせずに。)

「うーん...関係は良好、なんだけど...。うーん...如何せん、格好が...怪しい人が多くて...。一緒にお出かけするとね、すごい変な目で見られるからそれは嫌なのよ...。私が可愛いから、誘拐と間違われちゃうのよね。」

(最終的にはお姫様の自慢話だったが、意外な答えが返ってきた。それでも仲間を仲間とせず、友人のように接するのもこのお姫様の美徳なのだろう。そうして今度は彼女個人に迫るために、軽く「今最も貴方が欲しいものはなんでしょうか?」と尋ねてみた。)

「欲しいもの?い〜〜っぱいあるわ!お店限定のチョコレートだったり〜、あとは季節限定の可愛いお洋服!...あ、でも最もって言ったわよね。ひとつに絞らないといけないんだったら...ずうっと昔から、私、人間と同じように家族が欲しいの。お母さんやお父さんって存在、私達には居ないでしょ?チョコもお洋服も望めば手に入るしブランっていう弟はいるけど...本当の家族が欲しいのよ。」

( 記者は、そう語るお姫様の瞳の色を見ては、触れてはいけないものに触れてしまったと感じ、慌てて「貴方の好きなものや嫌いなもの、苦手なものなどを教えてください。」と質問を変えた。)

「?好きなものはブランと、自分と、チョコレート!嫌いなものはブランと私を傷付ける不届き者!あとは苦いチョコレートも嫌い!!前にイタズラで渡されて、すっごく嫌だったんだから!!」

(お姫様の顔が元に戻ったのを見て、胸を撫で下ろした記者。そうして次にまた無難な質問である「好きな音楽などはありますか?」と尋ねた。)

「音楽ぅ?あんまり聞かないからわかんなぁい...。ちゃかちゃか騒がしいのはそんな好きじゃないから...。あ、でもでも!お歌を歌うのは好きよ!ブランとよく歌ってるの!街で子供が歌ってたお歌を空耳で!」

( 鼻歌まで歌ってかなり上機嫌なお姫様を見て、もう少しだけ質問が出来そうだとふんだ記者は、「自分の見た目で一番好きな箇所などありますか?良ければ教えてください。」と踏み込んだ質問をした。)

「勿論ぜぇんぶ!!これで私っていう存在が確立してるんだから、1個もかけていい場所なんてないのよ?これで完璧な私!でも強いて言うなら、瞳かしら?左右違うでしょ?実は右目って今は良く見えてないの。ブランに貸してるから、ブランがいなくなっちゃったときに初めて戻ってくるようになってる。つまり、右目が見えるようになったらブランに何かあったって証拠。離れてても大丈夫なのは、こういう手段があるからなのよ」

( そういって愛おしそうに右目付近を触るお姫様に、なんて声をかけたらいいか分からなかったけれど、記者として質問を続けないといけないから「煙草やお酒は嗜まれますか?又、嗜まない方達はこれらについてどう思っていますか?」と脈絡のない質問を投げかけてみた。)

「そうねぇ...煙草はやらないけど、お酒は飲めるわ。でも私が飲もうとすると、みんなしてダメー!っていうの!確かに15歳だけど、私人間じゃないもん!アーキビストだもん!!」

(だんだん、と地団駄を踏むお姫様を、たまたま持っていたキャンディで窘めながら、次に「トップの方達に思う事はありますか?」と投げかけてみた。きょとりと目を瞬かせた彼女は、首を傾げながら記者を見つめる。)

「トップって、首脳のお兄さんと管理者のお兄さんのこと?どっちの話?どっちも知ってるからどっちも?ん〜...じゃあ、まずは首脳のお兄さんね。首脳のお兄さんはねぇ、すっごく優しいけどすっごく厳しいのよ。普段は頑張ったらいっぱい褒めてくれるんだけど、私がちょっとでも嫌!って言ったり、サボろうとすると、怖くなるの...。そういう時は、もう仕方ないからブランと一緒にっていう条件でお仕事するわ。
次は管理者のお兄さんね。今は敵なんだけど、昔はあの人の下にいたから顔も名前もちゃんと知ってるの。しっかりした、つまんない人っていう印象だけど...ああいうのを、真面目っていうのかしら。使命感とか、そういうのが強かったのね。私はずっと一緒にいるのは合わなかったけど、ちゃんと今も大好きな上司であることに代わりはないのよ。」

(そういって優しい笑顔を浮かべたお姫様に対して、記者はそろそろ締めの質問に入ろうとしていく。「貴方達はバベルの塔についてどうお考えでしょうか?」、そう尋ねて様子を伺った。)

「バベルの塔、私の産まれた場所。そうね、故郷とも言うべきかしら。だからたまに帰りたくなるし、許可を貰って帰るのよ。里帰りってやつね。だから、周りが言うように倒すべき相手っていう印象はないの。お友達になれればいいって、そう思ってるのは本当よ。でも、トップ同士が仲悪いから、私達も喧嘩しなきゃいけないの。戦争って言うのはね、そういうものなんだって。だから戦場では敵同士なのよ。...お友達を作るのって、大変ね。」


( そう最後に締めくくったお姫様に対して「最後です。今居る皆さんに向けて、これから来る仲間達にも何か言いたいことがあればどうぞ。」と促す。少し難しそうに頭を捻って数分後、そのお姫様は口を開いた。)

「私はね、今の仲間も、昔の仲間もみんな好きよ。だから傷付けるのは本意じゃないの。......こんなこと、他のアンダーテイカーの人達には言えないけどね?でもね、今の私はアンダーテイカーの鷹の目で、バベルの敵で...。そんな私をバベルの人達が敵だとみなして攻撃してくるのなら全力で応戦するわ。昔の仲間だったとしても。
あと、アンダーテイカーの方は...そうね、いっぱいお話しましょう!アーキビストも、人間も。お菓子なら用意するし、他のものが良ければ一緒に買いに行きましょう!私、皆と仲良くなりたいの。そうだ、ブランとも仲良くしてあげてね?無口だし無表情だしコミュニケーションに難はあるけど...私の大事な、家族だもの。

ねぇ、これでいい?私そろそろ帰らないと、仕事してないの怒られちゃう。今日もブランに任せて来ちゃったのよね。首脳のお兄さん怒ると怖いのに。...じゃあね、記者のお兄さん。また会ったら今度は遊んでちょうだい!」

( そういってどこかへ消えていくお姫様を見送る記者。今日が機嫌の良い日で本当に助かったね。もし機嫌の悪い時にあのお姫様に会っていたら、会って話しかけた瞬間に串刺しだっただろうからね。...それを知らない愚かな記者は、また今度、その過ちを犯すのかもしれないね。)
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さん (98y79v68)2024/8/30 20:50 (No.4465)削除
《采访:二人かそれ以上の間での会話で一方が他方に質問をして情報を得るために行われるもの。日本語に訳すと対談、取材。英訳するとインタビュー。》









_____なるほど、前線を担う精鋭の焚書部隊っていう妙に仰々しい役職とはいえ俺の様な傭兵崩れにまで突っかかって来るとはな。既に旦那相手に盛大にかましたんなら大抵が砂に埋もれる程度の情報にしかなりえねえだろ。……は?バベル相手にもした?だったら報酬として今すぐその情報を寄越す事は出来ねえのか。……守秘義務、ねえ。そういう所は妙に律儀になるのは可笑しいだろ。


(取材に応じてくれた男はある意味俗世から切り離されたような雰囲気を漂わせていた。伝統衣装の上に着ている現代服。遮光性の強いサングラス越しから覗かれる双眸。薄暗く行燈ぐらいしかまともに照明のない密室。椅子にたけかけられた黒塗りの刀は此方が不手際を起こせば直ぐに抜いてやる、と警告しているように思えた。)


というより、死をも恐れない勇敢な正義の使者というよりも闇雲に情報に群がる命知らずのあくどい鬣犬(ハイエナ)の類だろ。ああ、いくつか注文があるがそれは諦めて受け入れるぐらいの優しさはくれぐれも忘れるな。
まず俺にまともな礼儀とやらは期待するな。くれぐれも映写機(カメラ)は回すな。職業柄素性を知られれば間違いなく面倒になるしお前も五体満足で此処を出たいだろ?……それでも良いってのならろくでもない情報ぐらいは”かたって”やるさ。


(そうして男は箱から一本の煙草を取り出して火を付けた。渦巻く濃いタールの所為で視覚と嗅覚に刺激が与えられ、に思わず咳き込みそうになってしまう。)


それに煙草ぐらい目を瞑ってやってくれ。最近はコレが悪だなんていう風潮が蔓延っていてね。その件は否定しないがそんな他人に命を握られてたまるか、なんていう反骨精神を抱く愚か者には哀れみと慈悲の心をもって目を瞑ってやるのが一般人の善意ってものだろ。


『……分かりました。では、最初の質問です。自分の持っている本の力に不満や不便さを感じた事はありますか?』


塔から産まれた、なんていうあの人外どもとは違って俺はお前と同じ根っからの人間だからな。契約に縛られている時間よりも長く生きてんだ。そう簡単に積み重ねた経験が本相手に負ける訳とはお笑い草だろ?別段、無くてもやっていけるがあるのなら便利だと多少感謝するぐらいだ。
まあ不満なんて結局表面を軽く見ただけで理解したと思い込む浅はかな考えだろ。寧ろ癖の強い力を敢えて使いこなしてこそ真の強者って奴。そう思う方がカッコいいだろ?


『貴方の、今最も楽しみとしているものはなんですか?』


そうだな……俺に武器を向けて歯向かって来た反抗的な奴の顔をぶっ放す事。


(そう言って男は口元を歪めながら自分に向かって銃を撃つジェスチャーをした。)


暴力を以て凡てを支配する。それが俺が生きた世界の唯一のルールだったからな。こういう語彙力と情熱(パッション)とやらが求められる会話なんてもんは特に性に合わない。交渉みたいな理知的な手段はもっと知識のある奴に任せておけば良いんだよ。


『何故貴方はアンダーテイカーに居るのですか?』


それを俺自身が望んだ。その欲望の二文字以外に何か理由が長ったらしい理想が必要なら後でお前が考えておけ。記者なんだから世界が憎いとか能力が欲しかったとか色々と脚色するのは得意だろ。


『ならば今の職場は楽しいですか?』


嫌ならとっくに出て行っている。今は出ていく気にはならないのが答えだ。余りにも邪知暴虐で嫌になればそうは思わないが………きっとそれを許すような懐の広い奴とは思えねえんだよな。


『職場に対する不満などはありますか?もし宜しければ、上司や部下それに同僚の方達に思う事も。』


流石に同じ目的を持つ者としてそれなりに気をかけているつもりだが、大抵の奴は沸点が低い。俺も強く言えた方では無いが俺がマシだと思われるなんて相当だぞ。指示に従う知力と聴力はねえし気に食わない事があると直ぐに暴力で解決したがる。全く、年長者としてねじ伏せるのも一苦労さ。あ、この文句をもし告げ口をしたら……まあ別に良いか。正当防衛って奴が使えるなら好都合だ。まあ部下や同僚相手ならの多少喚こうが年相応から外れた振る舞いあたりで済むんだが。
それと上司………分かりやすい例なら旦那か?それなりに付き合いはあるとは思うが、向こうは俺らを使える駒以外にどう思っているんだか。あの風貌や回りくどい喋り口調といい、いかにも欺瞞を体現しているといっても否定は出来ねえ。案外陽気で話しやすい類なんだが……まあ一度話を聞いたのならその辺りは分かってくれるか。上司として世間が願う分かりやすい理想になっていると思うぜ。今まで邪険にされる事は多くあっても旦那個人に対して叛逆するような展開にはなってないのが何よりの証拠だからな。
は、もっと主観的な意見を聞きたい?俺としては……旦那の為に命を捧げる気はねえが、同じ船に乗るぐらいの気概は持ってやるさ。


『今最も貴方が欲しいものはなんでしょうか』


(質問を投げたその瞬間、男の纏う空気が変わった。ただでさえ危うい綱渡りであったのが急に崖の淵に立たされたような恐怖。猛獣に噛み付かれる前に浮かぶ刹那の走馬灯。いいや、きっと最初からその牙をしまっていただけなのかもしれない。)


___神を殺すその瞬間。人間が挑戦する事を許され、何度でも手繰り寄せる機会を得る事が出来るのなら。俺は必ず奴等を天から引き摺り下ろしてやるよ。


『……失礼しました。貴方の好きなものや嫌いなもの…もしくは苦手なものなどを教えてください。』


流石にさっきの大人げなかったか?……あー、はいはい。好きな物なら酒や煙草あたりか。健康や寿命がどうとか言われているが強要される筋合いはねえ。人生の愉しみを奪われる方が寿命が縮むってのを知らないとは悲しいもんだ。スミノフやアイリッシュのあの味が俺の人生を彩るし、肺を煙で満たす事によって生かされているというのに。難儀な世の中だよ、ほんと。
それと、(暫しの沈黙)………見ず知らずの他人にわざわざ弱点を曝け出したくはねえけどな…‥…まあ甘い物とやらは駄目だ。脳に糖分を入れる方が頭が良くなるみたいな常識が流布されているらしいがそんなものは俺には通用しねえ。周囲は砂糖を毎日食べても死ぬどころか喜びそうな連中ばかりだが、そういう奴等と衝突しないのは唯一の利点かもな。


『好きな音楽などはありますか?』


生憎、そういう高尚な興味に捧げる時間と労力を持たなかった暇人では無かったよ。無論歌唱とやらも駄目だ。そもそも歌になんの意味がある?そう思っている時点でもう駄目なんだろうな。


『トップの方達に思う事はありますか?』


顶端(てっぺん)か。旦那の方は言ったからここではバベル様の方か?まあ元気に地を飛び交わす虫のためにわざわざその御見足を泥で汚す事は一体どのような気持ちですか、って感じで合っている?



『すみません、少し趣旨とは個人的な疑問が生じてしまったのですが……






____あなたに家族はいますか?』


(男の瞳がゆっくりと此方見つめ、しっかりと視線をかみ合わせた。
そしてこれは間違いであったと愚かながらに悟った。逃げ出す脚さえ震えてまともに動きそうにない。ただ吹雪に耐えるだけで呼吸の方法さえ忘れてしまいそうになる。息が詰まる。なのに、ペンを握る手が緩まないのはこれでも記者という職に対する矜持なのろうか。
……殺意や憎悪なんていうものがさっきの質問の比では無い。ひたすら男の怒りが鎮まる事を目の前の彼ではなく神に願っていた。)


…………まあそうか。


(時間にして一体どのぐらいであったのだろうか。その余裕すら無かった。だが時によって何とかソレを仕舞わせる事に成功し、深く深く息を吐いて生還出来た幸運を祝った。)


人なら1人で生きられる訳無いだろって思ったか。常識だもんな。人間関係を探りたいのならその事が出るのは仕方がない事なのか。
家里人、…………师傅か。死んで欲しく無かったし、喪いたくなかったのにな。顛末を先んじて知っていたのなら一緒に地獄に堕ちる覚悟ぐらいあったってのに。薄情な人だよ、全く。
………覆水难收(腹水盆に還らず)、だったか?もう何時までも過去に縋る女々しいガキのような真似はしねえよ。年長者を自称するならそんな事出来る訳ねえだろうがねえだろうが。


『最後です。今居る皆さんに向けて、これから来る仲間達にも何か言いたいことがあればどうぞ。』


アイツら(アンダーテイカー)については…もっと良識を弁えろ、ぐらいか?野性を曝け出すのは悪い事ではねえが、どうも欲望に忠実過ぎる節があってな。少しは折り合いをつけねえと長生き出来ねえぞ。そこまでの死にたがりなら俺は止めねえしなんならその幕引きを担ってやるが。

それとバベル、いいや天上に住まわれる貴き方々。
天国とやらに何があるかは知らないが、地獄は良き志と良き願望に満ちている。人はお前らの善意で絆されるようなでも弱者でもない。不条理、理不尽。人はそういった災難が数多く降り抱えるが、それを乗り越える力を持っている。悪徳を憂うのであればその原因を考えろ。平和を望むのであればお得意の奇跡とやらでどうにかしろ。だがどうかお前らのその愚行によって万人が幸福になるだなんて奢れるな。お前らが見下している虫に食われるその未来が訪れる事を祈っているさ。
くたばりやがれ、本当に。你他妈的去死吧.


(………最後の言葉は聞き取れなかったが、恐らく暴言かその類なのだろう。)


以上だ。これで暫くは満足したか?


『……ありがとうございます。』


それ、まだ続ける気なのか?まあご苦労な事だ。せいぜい殺されない様に用心しろよ。


(そうして男は言葉をかける余地もなくその場を去った。後に残ったのは暫くは消えてくれない沈んで淀み、汚れ切った毒の臭い。ただそれだけ)
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主催さん (98twtq9o)2024/8/29 22:08 (No.4422)削除
#【質問コーナー】

※蓬様のテンプレートをお借りしています



「────記者?それはそれは、遥々遠いところまでよく来たものだ。……案内してやることはできないが、君に目的があるのならば答えよう。君の姿勢を評価してのことだ、特例と思いたまえ」

(前を歩く男は、忠告のようにそう告げるだろう。
人ならざる森へ迷い込んだ旅人を導くフクロウのよう。男は難解な言葉を並べ立てて、記者の顔を窺う。
うすく笑みを描いたその口元が、記者を促した────「質問があるならば、疾く済ませることだ」と。

それがゆえ、記者はまずその力のことを問う。
「不満や不便を感じたことは?」)

「不満や不便?ふむ……否。そのようなことを感じた覚えはない。僕はこれで、充分だ」

(男の声は悠然と答えた。余裕を持って笑っているようにすら思える。
幼い子どもが、間違える方が難しいような質問を投げかけて来ている──そんな風情で、男は淡々と記者を促した──「端的に。さあ、次は?」

記者は次に、楽しみを問う。今一番の楽しみは?と)

「楽しみ……?冬を迎えることだ。冬は良い。空が透き通って、星の光が一層見えるのだ。あの、宝石を通したような星明かりの下で本を読むのは何よりの幸せと言って良い」

(相変わらずの言い回し。しかし言葉に真摯な愛情を込め、男は軽やかに語る。温もりを分け与えるように穏やかな声、記者の顔もほころんだ。
和やかな空気に切り込むように、記者は問う。

なぜあなたは、バベルに?)

「この僕に、それを問うか。────我が使命であるからだ。運命と言っても相違ない。そして、僕は心から言葉とバベルを愛するがゆえ。……納得したかね?」

(さすがの記者も、温度が下がったことを察して必死にこくこくと頷いてみせる。
この空気を変えようと、記者は問う。……バベルは楽しいですか?)

「楽しいとも。また同時に、バベルは美しい。この世で非の打ちどころないものを挙げるならば、僕は真っ先にバベルを挙げる」

(男の声がまた、落ち着きを取り戻す。
記者は胸を撫で下ろす。あの吹雪の如し声音に射竦められると、心臓の裏が冷りと汗を垂らすのだ。
次の質問には迷ったが、記者は結局、好奇心には耐えられなかった。

……バベルに不満はありますか?)

「ないよ。わかっていたことだろう」

(記者は言葉を閉ざした。……藪蛇だったか。
次に記者は、部下のことを問う。これならば、藪蛇にはなるまい)

「部下に思うこと?────信じるべき部下だとも。彼らは皆、このバベルの守護者に相応しい。僕はバベルのアーキビストたちに、真の信を置いている」

(男の声には芯がある。曲げず折れずの鋼のように、男はきっぱりと断言した。
真っ新で潔白の信用を置き、両肩で背負うにも苦労するほどの期待を乗せているのだと。

しかし、声の奥に幾つかの影を過ぎらせて。
追及することは抑え、記者はさらに問いかける。────あなたの、最も欲しいものは?)

「恒久の平穏と、バベルの安寧を。そのためにすべきことを、僕は既に把握している」

(簡潔な表現で、男はやはり、言い切る。記者はその声から、ある種の圧を感じ取る。
布に隠されて窺い知れないはずの双眸に睨め付けられたような、鋭利な圧。男はわずかに目を逸らし、地平線の向こうに顔を向けた。

記者は慌てて、次の質問へと話題を移す。
「好きなものや嫌いなもの、苦手なものはありますか?」────男は少し、沈黙を挟んだ)

「ふふ。……秘密にしておこう。君よ、そういうことが知りたいのならば、関わり合いの中で知るべきだ。最初から言ってしまっては、楽しくないだろう」

(…………最もらしい理由をつけて、躱された。記者のじっとりした視線を受け流し、男は全く見当違いな方向を向く。答えるつもりはないらしい。
記者は怖いもの知らずなため息を挟んで抗議してから、次の質問へ移る。──好きな音楽はありますか?)

「特定の音楽はない。ないが、ハープという楽器は実に良い。あれを使った音楽であれば、何であれ好むだろう。落ち着きある音色が響く様、神秘的ですらある」

(ハープ。確かに、そういう楽器を好みそうな気配はあるか。
記者の内心に呼応するように、男は振り向いて首を傾げた。「意外性がなかったかね?エレキギターとでも言っておけば良かったか」────ある程度のジョークも解するらしい。

記者は笑って答えながら、次の質問を投げかける。それはきっと、肩の力が抜けたがゆえの暴投。
「トップの方達に思うことはありますか?」)



「────────それは、アンダーテイカーの首脳のことを言っているのか?」

(虚ろが口を開けて、渦のように佇んでいる。
月のない夜空よりなお暗い、沼底の暗闇が満ちている。
地を穿つ雷霆のようなはげしい憎しみが、空気を震わせる。
秋の終わりによく似た寂寞が、遠く漂っている。

弁明の隙を与えず、男は口を開く)

「その過ちは初めてのことであり、尚且つ君は第三者。バベルに関することで死んではならない存在だ。それがゆえに、不問とするが────次はない。次に同じ轍を踏めばその体、瞬きの後に砕け散ると思え」

(この話題は、ダメだ。

記者は急いで同意を示し、固まった舌根を懸命に動かす。次──次の質問を。最後の質問を。

────今いる皆さんに向けて、これから来る仲間たちに、何か言いたいことはありますか?)

「ふむ。────バベルのアーキビストたち。僕は君たちと共に言葉を守る任を預かっていること、心から光栄に思う。いずれは世界を襲った洪水のように、数多の艱難辛苦もあるだろう。しかし、膝をつくことなかれ。決して屈することなかれ。破壊を願うことなかれ。己の力を、過小評価するな。
君たちは強い。勝利は、我々にこそ微笑むだろう。

全てが押し流された後、立っているのは我々だ」


(男が振り返る)


「ここまでだ。賢き君よ、全て忘れて日常に帰りたまえ」


(終わりが見えないほど深い緑色の瞳が、うっすらと微笑んだ気がした)
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こちらはイラスト専用掲示板です
主催さん (98twtq9o)2024/10/12 23:35 (No.7321)削除
管理者布OFFバージョンです
picrew『長髪男子メーカー』様
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さん (98zj7wdb)2024/10/7 22:17 (No.7010)削除
短髪な首脳をテンプレで出したので折角ならデカいバージョンも置いておこうと思って…。
人間男メーカー仮様より
亜種
返信
返信0
さん (98whydgy)2024/9/26 00:02 (No.6244)削除
カーツィフード無し&イカ耳ver。
【人間男メーカー仮】様より。


刺青は趣味です。(私の)
返信
返信0
海老さん (9a27jh0j)2024/9/24 20:54 (No.6101)削除
エケチェンエルピス


「ひどいっ、僕がきらいだから、そうやっていたいことするんですねっ!」
<自分で歩いてすっ転んで顔面に傷作ったのはそっちでしょ!?>

_傷の絶えない子でした。主に何も無いところでよく転んで、ね。
長髪のおにいさん よりお借りしました
返信
返信0
さん (98zj7wdb)2024/9/23 22:08 (No.6054)削除
軍服首脳。
絶対サイハイブーツ履かせてやる。
司書長もどうぞ。

後は溜まっていた首脳の数々も置いておきます。
趣味丸出しメーカー様より
キミの世界メーカー様より
返信
返信0
主催さん (98twtq9o)2024/9/23 19:54 (No.6024)削除
軍服管理者です
白黒で2パターン作りました
picrew『しゅみまる出しメーカー』様
同上
返信
返信0
さん (98zj7wdb)2024/9/17 22:30 (No.5619)削除
IF首脳









今も司書長を続けている彼の人。



「バベルに生まれてよかった!!」


「…バベルから離れた貴方達はあっしの手で、痛みのないように逝かせてあげましょう。」





愛しい貴方達の為に、最期まで最大限の優しさを。
「SK-MEN′S」メーカー様より
返信
返信0
海老さん (99qx0ruz)2024/9/16 23:15 (No.5577)削除
ifエルピス


「...あぁ、可哀想な子供達。

こんなどうしようもない世界に産まれたのに、救いがないなんて。

だから俺が、皆まとめて救ってあげます。

世界とバイバイ、しましょうね?」



_それは、「希望」の名を持つ者。


ΕΛΠΙΣ
てんしょうメーカー様よりお借りしました
返信
返信0
さん (98zj7wdb)2024/9/16 21:05 (No.5575)削除
おにいさんメーカー様より


⚠️IF注意⚠️





アンダーテイカーの無差別殺人鬼。

「Xeno Michael」




「兄さあん!次はどの仔を殺して良いワケなんですかァ?それとも全員サクッと丸焦げ……ふふふふ!」
あったかもしれない世界線
返信
返信0
海老さん (99o5hfnf)2024/9/15 00:48 (No.5490)削除
[ 数千年前のこと ]

「俺の報告は以上です。...そして、この件について俺は責任を取ろうと思います。
長年続けた書庫管理の任ですが、辞退させて頂きたいのです。
バベルが忙しい時に、こんなことを言うのはおかしいのでしょうが...俺はもう、力になれなそうなので...。
...そうだ、最後にこれだけ。
本当にごめんなさい、本に関しては貴方に責任はありません。責めるべきはあそこの管理をしていた俺です。
だから、全部を1人で抱え込まないでくださいね。


ミネルヴァ管理。」
仄暗い少年少女 様よりお借りしました
返信
返信0

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上二つに当てはまらない投稿はこちらにどうぞ
さん (98zj7wdb)2024/9/24 00:43 (No.6061)削除
ポケモン風のファルサとゼノ

また十字グラフやテンプレート置き場です。
返信
さん (98zj7wdb)2024/10/6 21:23削除
君が髪を切った理由とは?


素敵なテンプレートお借りしました。
メーカー様は人間男メーカー(仮)様より
Xeno
Falsa Sol
さん (98zj7wdb)2024/10/3 23:25削除
過去の恋愛事情とかいうとんでも良テンプレを使わせてもらいました。
ありがとうございます

あ、記入はご本人が直々にしてくれました。
さん (98zj7wdb)2024/9/27 00:54削除
赤→影で喰われます
オレンジ→好感度高いなら青色に移行、低いなら殺す
青→好感度MAXなら紫になるかもしれないね。
素敵なテンプレートお借りしました。
さん (98zj7wdb)2024/9/25 20:45削除
第四弾
十字グラフ
さん (98zj7wdb)2024/9/25 20:41削除
テンプレ集
ファルサとゼノくん
ファルサの質問1
ファルサの質問2
ファルサの質問3
ゼノの質問1
ゼノの質問2
ゼノの質問3
ゼノ
ゼノ
ゼノの取扱説明書
双子
さん (98zj7wdb)2024/9/24 22:25削除
こちらはゼノのテンプレ集
さん (98zj7wdb)2024/9/24 22:24削除
これは首脳のテンプレ集
さん (98zj7wdb)2024/9/24 22:21削除
イメソン集
さん (98zj7wdb)2024/9/24 11:59削除
第三弾
十字グラフ
さん (98zj7wdb)2024/9/24 11:54削除
第二弾
十字グラフ
さん (98zj7wdb)2024/9/24 00:49削除
第一弾
十字グラフ
返信11
さん (98y79v68)2024/9/21 02:53 (No.5772)削除
Coffee Break

ちょっとした息抜き


素敵なテンプレートをお借りしました
返信
さん (9afdieoe)2024/10/4 02:03削除
Part5
回数を重ねる事に増えていく問題
さん (9a6l2qhk)2024/9/27 22:24削除
flambé
























真実と嘘の境界線って一体誰が決めているんだろうね
さん (9a3ptecw)2024/9/25 22:14削除
イメージソングver
さん (98y79v68)2024/9/23 00:16削除
Part3

素敵なテンプレートをお借りしました
さん (98y79v68)2024/9/21 22:55削除
Part2

素敵なテンプレートをお借りしました
返信5
主催さん (98twtq9o)2024/9/20 23:10 (No.5760)削除
ポケモン風味ミネルヴァです
テンプレお借りしています
返信
主催さん (98twtq9o)2024/10/4 00:18削除
闇堕ちテンプレです。
素敵なテンプレートをお借りしております。

質問の方はミネルヴァが直筆で書いてくれました。
主催さん (98twtq9o)2024/9/27 21:46削除
ミスがあったので再掲お触り分布図です
素敵なテンプレお借りしております
主催さん (98twtq9o)2024/9/25 23:23削除
質問テンプレです
素敵なテンプレお借りしております
主催さん (98twtq9o)2024/9/23 23:31削除
テンプレPart4です!
素敵なテンプレートお借りしています
主催さん (98twtq9o)2024/9/23 00:08削除
テンプレPart3です!
素敵なテンプレートをお借りしております!
主催さん (98twtq9o)2024/9/22 00:06削除
テンプレPart2です
素敵なテンプレお借りしております!
主催さん (98twtq9o)2024/9/21 22:39削除
十字テンプレお借りしています!
返信7
海老さん (99wp69w8)2024/9/21 00:21 (No.5769)削除
お嬢のポケモンテンプレです

テンプレお借りしました!
返信
海老さん (9a6jhc0a)2024/9/27 21:40削除
乗るしかない、このビッグウェーブに!!

ということでテンプレをお借りしました!
海老さん (9a3sq354)2024/9/25 23:35削除
質問テンプレこっちにまとめました!!

素敵なテンプレお借りしました
ノワール
ノワール
ノワール
エルピス
エルピス
エルピス
海老さん (9a0w92ak)2024/9/23 22:51削除
お嬢のワンフレーズイメソンをずっと考えてて形になったので...

色分け
黒...過去に紐付くもの
橙...現在
桃...恋したらこんな感じかな〜
海老さん (99xwnzvb)2024/9/21 20:39削除
十字グラフもお借りしてやってみました!

素敵なテンプレ、ありがとうございました😊
海老さん (99wp69w8)2024/9/21 00:52削除
こちらエルピスのポケモンテンプレです

テンプレお借りしました
返信5
さん (98whydgy)2024/9/21 00:10 (No.5768)削除
ポケモンテンプレのカーツィです.
テンプレをお借りしました.
返信
さん (98whydgy)2024/9/27 01:42削除
お触り分布図です!
返信1
そばさん (99b9fi2s)2024/9/23 23:59 (No.6059)削除
流行りにのっかりまして十字テンプレをお借り致しました
返信
そばさん (99b9fi2s)2024/9/27 01:20削除
そばさん (99b9fi2s)2024/9/26 22:38削除
すばらしきテンプレをお借りしました!
そばさん (99b9fi2s)2024/9/24 23:27削除
流行りに乗りましてワンフレーズイメソンでございます!!!
返信3
濃口さん (98yc388w)2024/8/28 20:49 (No.4371)削除
CSで書き漏らしてる色々!

【 好き 】
言わずもがな甘いもの。特にお気に入りのスイーツはハニーワッフルと苺のパンナコッタ / 赤いもの / 戦闘(演習・実戦問わず)/ 図鑑などの絵が多い本 / 生き物 / 構ってくれる人

【 嫌い 】
字を書くこと。蚯蚓がのたくったような字であることを自覚しているため / バベルの仲間が傷つくこと。家族がいない彼なりに、家族のように想っている / ゴーヤ(見た目が怖すぎるとの事)

【 苦手 】
水。未だ海を見た事は無いが、恐らく泳げないだろう。入浴ですらあまり積極的ではないものの、シュワシュワするバスボムや色の変わる入浴剤など、お遊び要素があれば話は別とのこと。

【 オフの日 】
筋トレ、カフェ巡り、野良猫の溜まり場巡りなどをして過ごす。気が向けば公園で子供達の遊び相手になることもあり、『なんの仕事をしてるか分からないガラの悪いお兄さん』として慕われている。そのためイマドキの流行り廃りは子供たち経由で仕入れることが多く、児童向けアニメにまで異様に詳しくなってしまった。でかいカブトムシが捕れる山を知っている。
返信
濃口さん (98yc388w)2024/9/1 13:11削除
【 イメソン! 】

『わたしは禁忌』

「あなだけは守らなくちゃ意味がないだろ」
「この日常は渡さないわ。」

?si=BNnopnVz-5B3WT4D


『歪なわけ、教えてあげる』

「“今日も愛するよ”って、言え!!!」
「最高だったよな。」

?si=x0TwmPcew7okrsoL
返信1
夕凪さん (992b7ile)2024/8/31 22:30 (No.4520)削除
スプリング イメージソング

?si=z3eLJ_56YEtxuLnx
『Off The Record/IVE』

?si=DlqVvc50V95VMMH1
『Nobody Knows/KISS OF LIFE』
返信
返信0
さん (98xzi0j3)2024/8/27 17:23 (No.4247)削除
〈Falsaの詳細〉

【口調】
敬語なのだが何処か剽軽と感じれる軽い口調になっている。
また英名など片仮名表記の物を和名にしたり、平仮名になっていたり、日本語表記にすることが多々ある。
(例→ミルクレープを「みるくれえぷ」と呼ぶ)
一人称はあっし、自分
二人称は貴方、君、等
三人称は皆様、皆様方、お嬢さん方、お兄さん方等

【特技】
裁縫や編み物

【好きなもの・こと】
落語や漫才、紙芝居、裁縫、ミルクレープ、紅茶
(特にレモンティーと日本紅茶が好き)

【嫌いなもの・こと】
バベルの塔、大したことしてないのに踏ん反り返る馬鹿。

【苦手なもの・こと】
現代器具とか、とにかく現代のもの(すまあとふぉんとやらは使いづらい)、騒音(まるでバベルの管理者が扱う本の力みたいで好きじゃない)

【イメージCV】
石田彰さん

【イメージジュエリー】
スファレライト
タンザナイト

【イメージフラワー】
月桂樹
アンチューサ

【イメージカクテル】
シャンディ・ガフ
キール・インペリアル
アズール

【イメージカラー】
杜若

【イメージソング】
Natural woman
?si=WIogrHJVNjcMEZC2

オノマトペテン氏
?si=uZ4sx8qeyA4iYdzG

死神
?si=Z2Mp8mIE5frHht2e

狼煙
?si=OtBXCO7isyMVEF94
返信
さん (98zj7wdb)2024/8/30 19:50削除
【関係とか】
友達、バベル時代の友人や後輩とかの関係を随時募集中。

宿敵やライバルなどは募集してません❌

恋人などはNL、BL、どちらでも大丈夫です。
攻め受けは問いませんが互いにリバだと都合が良いかもしれないです。
地雷は特にありません。

よく話し合って関係を決めましょう。

楽しめる範囲で宜しくお願いします。
さん (98yvnxis)2024/8/28 08:19削除
【イメージソングの小話】
長いので時間がある時にじっくり見てください。
正直言って先に曲を聴いてから観た方が分かりやすいと思うので。

【1.Natural woman/ビッケブランカ様】
愛を纏った姿
(→裏切る前、バベルが大好きなあの頃。)
実際その裏側をkeep out
(→本心を知られないように、いつの間にか仲間から離れていった。)

油断なし、気がつけばinside out
(→油断大敵、いつの時も知能を持った生物とは深く考えてしまう時がある。いつの間にかバベルを嫌悪するようになり、その場に留まり続けるのが辛くなるほど嫌になってしまって離反し皆を裏切った)
しけこんで今こうなった
(→気が付けばアンダーテイカーという巨大な複合組織を立ち上げて、戻れないところまで来てしまっていた。)

散らかしてハバナイス
(→昔のことを思い出して家ではしょっちゅう荒れているファルサ、片付けは正気に戻った時に。)
目逸らして誤魔化す
(→戻れない現実とバベルに向けられる視線、そして塔と本から見放された事実(人外要素がある本来の自分)に目を逸らし続け今の自分を作り上げた。)

四苦八苦まだ誰も未確認
(→誰も知らないファルサの本性、そしてファルサが苦しんでいる姿。)
鋭く穿つ胸をアイスピック
(→本当の自分を固く隠して。)
ハイキックじゃ見透せぬハイスペック
(→見透せない、見抜けない首脳の本性、本音。)

EZ do dance
(→自分の気持ちを露わにして踊る(=暴れる)のは簡単)
透明なシークレット
(→明るい彼には見えそうで全く見えない秘密を沢山抱えている)
目線泳がす前にtell me
(→自分に関する情報をのらりくらりと誤魔化す。質問には答えろ首脳)

あーどうすればいいんだっけな、
何処で間違ったかな
なんか泣きたくなるな
(→今更になって溢れ出す罪悪感と謝罪したい気持ち、戻りたい気持ち。本来ならば自分の居場所は彼処で、愛すべき仲間と果たすべき使命があった筈なのにどうして今こうなってしまったんだろうか、とずっと自問自答を繰り返している首脳。この時だけはファルサ(偽り)ではなくルシフェル(光を掲げる者)という弱く脆い存在に戻る。それでもアンダーテイカーも好きだし愛すべき仲間も居るから其処(首脳)に留まり続けている。)

と言った形でファルサ(ルシフェル)の心の内として「Natural woman」をイメージソングの一つとして入れさせてもらいました。全部書き続けると蓬が止まらなくなるので1番の歌詞だけで全てお送り致します。

【2.オノマトペテン師/てにをは様】
(※皆さんほぼほぼ知っているそうなので個人解釈などだけ。)
落語や漫才、紙芝居が好き、口調が剽軽、と言った設定を入れるにあたりコレはこの曲を入れなければと思い入れさせてもらいました。
「詞も音と為る」
良い歌詞ですよね、まさに戦場で感情が昂ったファルサが御喋りしながら戦うところを想像して「詞(本の力)も音(武器)と成る」と解釈しました。

【3.死神/米津玄師様】
(※部分的な歌詞のみを挙げます)

くだらねぇ、いつになりゃ終わる?
(→昔の自分とはもう決別がついているので、全てくだらないと思い言葉を葬って世界の混沌してる様と滅び行く世界をさっさと観たい)
なんか死にてえ気持ちで、ブラ ブラ ブラ
(→時折出てくる昔の自分の記憶に嫌気が差して、気分転換として外を歩いているファルサ)

うぜぇ、じゃらくれたタコが
(→嫌いなものに表記した「大したことしてないくせに踏ん反り返る馬鹿」を指して、心の中ではうざいと思っているファルサ)
悪銭抱えどこへ行く
(→組織内の違反者を見つけた。)

そんなけったいなことばっか言わんで容赦したってや
(→正に管理者と高度な煽り合いをして戦ってるファルサくんですね。)
あゝ、面白く 面 面白くなるところだったのに
(→一時撤退という形でお互い身を引いたが良いところまで行ってたのでまだ感情の余韻に浸っている。)

などなど。主に「ファルサ」としてのイメージソングですね、ファルサは首脳ですが好戦的な仔でもあります。この前皆様とお話していた際「管理者と高度な煽り合いをして戦っている首脳」、「でも撤退しなければいけない事態に渋々お互い身を引く」というお話からこういう形でイメージソングの一つとして迎えさせてもらいました。

【4.狼煙/syudou様・cover さんぷる様】
個人的にさんぷる様の癖強い歌い方が合っていたのでそちらを記載させてもらいました。本家はsyudou様です。
(※死神と同様部分的な歌詞を抜粋します)
(※今回はファルサ(ルシフェル)目線が挟みます)

あの歓楽街の場末のバーに
寄り道しなければ良かったんだ
(→自分の気持ちや違和感に気付かなければ良かった。)
したら鮮血も汗も垂らさずに
楽にいれそうだった
(→そしたら今のように仲間や自分が血や汗を垂らさずに生きれていたのに。バベルの仲間たちとも仲良くやれていたのに。)
けど何万回やったってきっと
あの歌にやられちまって最後
深い快楽奈落に堕ちていく
(→でもきっとあの気持ちには絶対気付いてしまうように出来ているのだろう。だから自分が堕ちる運命は変えられない、そしてきっと何回人生を繰り返したところでアンダーテイカーを作るのだろう)

正攻法は歌わねぇ
(→今更戻りたいなんて言わない、またバベルに戻るのは違う気がしたから。)
だって正解なんざ裏の裏
(→正解なんて無い。他に道はいくらでもある。)

また懐古を崇拝 烏合の集会
口揃え「あの頃は良かった」って
(→たまに組織内にいる愚かな奴ら。口を揃えて「いつもなら褒美とかくれる優しい首脳なのに…」だのなんだのほざく。お前らがミスしたから罰与えてんだよこちとら)
笑っちゃいるけど悲しい表情
(→でも仲間からそう言われると顔はニコニコしてても何処か哀愁漂う雰囲気になる。)
そんな目で俺を見んな
(→それはそうとして憎そうな表情で俺を見るんじゃねえ。反省してないのかよ)

それでも松明に火を灯せ
傷口を炎で焼いて塞げ
(→怪我をした?医療班のところに行くには時間がかかる?なら傷口を炎で焼いて塞げ、立ち止まるな。まだ自分の体が動くのなら死ぬまであっしのために尽くして死ね、貴方なら出来るだろう?)
冷徹な眼差しに
その身焦がれども進む業火
(→仲間達からしたら戦場ではいつにもなく冷徹な眼差しで指揮を取ってるファルサは恐怖だし、前線に出てきて傷付いても影を操り言葉巧みに炎の中戦う姿は正にトップだろう。)
油は売らずに身に乗せる
(→トップ同士で戦う時だけは協力を仰がず、且つ自分の力だけで戦う。横槍入れたら許さない)
愚か者が故登るだけ
(→管理者と煽り合いしてる時に「愚か者」と言われたならば、それを否定せずに受け入れ「愚か者だからこそ登り詰めて今此処(戦場)に立っているのです」とか言い出す。)

貴方が残した言葉なら
それでも構わず受け止める
(→どんなに罵られても、それを受け止めましょう。)
今馬鹿見る覚悟の愚直さで
仮面を脱ぎ捨て歩き出す
(→きっとあっしが死んでいなくなったとしてもアンダーテイカーはもう止まらない。首脳が居なくなった分きっと今まで以上に暴れ出すでしょう、仲間割れをして戦力は減ってもきっとずっと、ずーっとバベルに争うものが居る。きっとあっしの力を受け継ぐ者もいずれ出てくるでしょう、ですがそれで良い。それでこそのあっしが創り上げたアンダーテイカーだ、きっと最後の心残りは宿敵を倒せなかったことだけですねェ。ですがあっしはいつ死んでもおかしく無い立場なのでいつでも覚悟は出来ていますよ。)

以上。覚悟が決まっている首脳である「ファルサ」です。この曲を入れた大きな理由はラスサビが大好き過ぎるのが大きな理由ですね、もう一つ大きな理由があるとすれば所々ファルサの能力や生い立ち等に該当する部分が多いことです。
全て良い曲なので首脳を思い出して聴いてくださいね((((





















『おや、まだ見ているお方がいらっしゃったのですねェ。随分と物好きな方だ、こんな小話にさえ釘付けになって見ているなんて…。あゝ!失敬失敬!決して馬鹿にしている訳ではございやせん。其処は御安心を。ええ、ええ…、これら全てあっしを模る物の一つですので。聴いてくれると嬉しいのですがァ…。

あゝ、それから一つだけ心優しい堕落天使からの忠告です♡あっしにとって皆等しく「使えるもの」でしかございやせん。勘違いなどで「お優しい首脳」、「可哀想な首脳」などと思わないで頂きたい、間違いでもそのようなことを言われた暁にはあっし、皆様のことを影でぺろり!と喰らってしまうかもしれませんので………。

ではでは!心優しい堕落天使からの忠告はこれだけです。

皆様とお話出来ることを心から楽しみに待っていますね♡」
返信2
さん (98zj7wdb)2024/8/29 20:44 (No.4418)削除
【質問コーナー】
貴方達はある日大変度胸を持った中性的な記者(アーキビストor人間、どちらでも構いません)に会いました。記者は貴方達に幾つか質問をしたいと言い10の質問(+α)を貴方達にしました。

Q1.自分の持っている本の力に不満や不便さを感じた事はありますか?

Q2.貴方の今最も楽しみとしているものはなんですか?

Q3.何故貴方はバベル/アンダーテイカーに居るのですか?

Q4.今の職場は楽しいですか?

Q5.今の職場に対する不満などはありますか?よければ教えて下さい。

Q6.上司や部下、同僚の方達に思う事はありますか?

Q7.今最も貴方が欲しいものはなんでしょうか?

Q8.貴方の好きなものや嫌いなもの、苦手なものなどを教えてください。

Q9.好きな音楽などはありますか?

Q10.最後です。今居る皆さんに向けて、これから来る仲間達にも何か言いたいことがあればどうぞ。

『+α』
Q.自分の見た目で一番好きな箇所などありますか?良ければ教えてください。

Q.煙草やお酒は嗜まれますか?又、嗜まない方達はこれらについてどう思っていますか?

Q.トップの方達に思う事はありますか?

Q.バベルを守護する皆様へ、バベルの塔を護る、という使命については如何お考えでしょうか?

Q.アンダーテイカーの皆様へ、貴方達はバベルの塔についてどうお考えでしょうか?

↑答えたい方だけどうぞ。

これら全ての質問は制作者が皆さんのお子さんに聞きたいことを纏めました、是非お使いください。後順番を変動させたり、口調を変えたりとか記者の仔の設定変更などはご自由にどうぞ。
返信
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