蓬
蓬さん (98zj7wdb)2024/8/29 06:29 (No.4393)削除#【質問コーナー】
『おや、珍しいこともあるものですねェ。そりゃあもう、大層珍しい…迷える仔羊が…何の躊躇も無く狼の巣に迷い込んでしまうなんて。(溜息)…あっしは胸が痛くなりやす、…でもその度胸は認めましょう。そして此処まで辿り着いたこと…あっしは其れを讃えて貴方を歓迎致しやしょう!…してェ、貴方はどの様な御用件で?あっしのところまで来たのなら其れ相応の理由がある筈。安心して下さい♪しょうもない事でも追い出したりなんてしやせんよ…家迄送って行くぐらいの事はしやしょう。…其れで?』
(長い御託を背を向けたまま並べた後にくるりと椅子を回し帽子の装飾を揺らしてまずは地獄(本基地)に迷い込んだ貴方の度胸や努力を認め、褒め称えた後で用件を貴方に聞くでしょう。何処となく胡散臭い表情、何せ延々と笑みを浮かべて目を閉じているだけの顔だ。胡散臭いと貴方は感じてしまうでしょうね、え?そうでもない?そうですか…。兎に角彼は白と青、黒の三色で身を包み貴方の回答を待っています。)
『………ほぅ?あっしに質問、ですか。何個か聞くので誤魔化さずに答えて欲しい?こりゃあ困りましたね。一応あっし、首脳でして…そういった類のものは全て非公開でやらせてもらっているのですがァ…つべこべ言わずに答えろ?おーおー、随分と気が強い御方だァ。仕方ありやせんね…、ちょっとした暇潰し程度に答えてあげますよ。して、一問目は?』
(「自分の力に不満や不便を感じた事はありますか?」メモと鉛筆を両手に握る貴方、不思議と目の前の彼はそれを止めようとはしなかった。まるで余裕そうな王者の風格。見た目や性格にそぐあわずしっかりと頂点に立つもののオーラを感じ取れた、まず一つ目の質問。自分の能力に関してだ、これは答えてくれないだろうかと貴方は思ったが、彼は口を開いて己の能力を話してくれた。)
『初っ端からそれですかい…、いえいえ、良いのですよ?別に。あっしの本の力は「百鬼夜行」、まぁ影を操る力を得ることができる本でさァ。…そうですねェ、自分の力に不満や不便と感じる事はあまり無いですかね…強いて言えば耐久力が無いぐらいで…それ以外は特にありやせんね。本当ですよ〜?…アー、そう、ですね。もう一つ言うならば…日中の活動が出来ないことですねェ。悲しいことに太陽光を少しでも浴びると影が消えちまう、其れに加えてあっしも動けなくなっちまいますので……太陽光以外の光なら全然大丈夫なんですけどねェ。』
(彼は困った表情をしながら笑った口元を動かして一問目に答えてくれた。すらすらとメモ帳の上にペンを滑らせる貴方を彼は優しく見守る。さぁ次の質問だ、貴方は次に「貴方の今最も楽しみとしていることを教えてください」と彼に聞くでしょう。)
『…最も、楽しみにしていること……。そうですねェ、今あっしの家には期間限定のけえきが冷蔵庫で冷やされていましてね?其れを食べるのが今の所最も楽しみにしている事ですねェ…、いやはや…早朝から並び後一箱!というところで手に入れた一品ですので、やはり食べるのが一番の楽しみでしょう。』
(貴方は意外そうに彼を見つめます、そしてメモ帳に書き足される「首脳は甘い物が好き」という字、彼はまた困った表情で「そんなに意外ですかね…」と何処か逆に不思議そうな顔。今時けえきが好き仔なんて沢山居るだろうに、何故そんな驚かれるのか彼は其れが不思議で不思議で堪らない。三つ目の質問は「何故貴方はアンダーテイカーに居る…いや、立ち上げたのですか?」)
『……くくっ、貴方は本当に肝っ玉とやらが座っている様で。いえいえ、馬鹿になんて一切しておりません。逆に褒めているのですよ?貴方だけですよ、其の様な命知らずの質問をこのあっしに聞くなんて…。まあまあ!良いでしょう………………ふむ、……………そうですね、この回答はァ………無しで♡組織誕生秘話なんて、其れこそ身内にしか話しませんよォ?』
(彼は暫く黙り込んだ後に眉を下げて、申し訳なさそうな…いや、申し訳ないとほんとに思っているのかと思うぐらい困った笑顔を浮かべた。やはり彼が浮かべる笑顔は何処か胡散臭いのである。貴方は少しだけ目を細め、次の質問へ「今の職場は楽しいですか?」)
『おお、真っ当な質問がやっと来したね。そりゃあもう!今の職場は楽しいですよォ?あっしなんかに支えてくれる仔等がもうごまんといるんですよォ。非常に首脳として、組織の上に立つ者として喜ばしい事です。』
(表情は胡散臭いがそれは置いといて、やっと本心が含まれてそうな回答が返ってくるでしょう。彼は机の中を漁って愛用の煙管を取り出した、換気はされているのできっと紫煙は貴方の方へは飛んで行かない。煙草の葉を煙管にいれ、火をつけては慣れた様子で吸い始める、そんな彼を他所に貴方は質問を続けた。「今の職場に対する不満などはありますか?よければ教えて下さい。」)
『……強いて言えばァ、時折ほんっとうに言うことを聞かない…駄目な仔が居て苦労するところですかねェ。皆さん基本的にィ、問題は起こさないのですがァ…たまあに居るんですよ、駄目な仔(出来損ない)が。…まあ、一度組織に入ったのならば死ぬまで働いてもらうつもりで承っているので、教育しますがァ……ね?』
(後は貴方の解釈に任せると言わんばかりに表情で訴えてくる、椅子をくるりと回し肘掛に頬杖をつきながら紫煙を空に向かって吐き出す。貴方は言葉の意味を理解して恐怖を感じペンを落としそうになるが慌てて握りしめる事に事になるでしょう。貴方は少し小さな声で次の質問を彼に伝えた、「部下達に思う事はありますか?」)
『…ふふ。いえいえ、皆様とおっても…よく頑張ってくれている大切な部下達ですよ。時にミスを起こし、時には大成功を収める…、何ら他の場所と変わりがありやせん。そしてあっしも、変わりありやせん…、良い報告をした者には褒美を、悪い報告が来たのなら罰を。そこら辺はきちんと厳しくしていますよ。』
(仮にも世界の崩壊を願う混沌巨大複合組織。そこら辺はしっかりしている様だ、貴方は少し感心した様子で頷き又メモを残した。さあ後残りの質問も少ないです、次の質問は「今最も貴方が欲しいものはなんでしょうか?」)
『今度は欲しいものですか………そうですね。今は部下の良い報告が聞けるならそれだけで良いのですがァ、欲を言うならばやはりばべるの管理者の首が欲しいですねェ!…忌々しいばべるの管理者、やはり何時でもあの御方の首は欲しい…。おおっと……、すいません。ついはしたない欲望が…!』
(彼は肩を揺らして笑っていたが常人の貴方は其の異様な光景に思わず肩を竦めて早く質問を終わらせようと思った。次に聞いたのは「煙草やお酒は嗜まれますか?」)
『ええ、ええ!そりゃあ勿論。現に吸わせていただいていますが…、矢張り此の煙草と言い酒と言い外の世界の物は気分が良くなる物が多い…。ええ、此れを世では何て言うんでしたっけ?…そうそう!極楽品でしたっけ?あっし、煙草と酒は好みますし、矢張り外の世界は進んでいると感じる代物でしたねェ。』
(確か噂で首脳は現代器具などが苦手などと聞いたことがある貴方、其の首脳が絶賛する程なのだから相当お気に召したのだろう。こく、と小さく頷き続けて「好きな音楽などはありますか?」と彼に問うた。)
『最近はァ、けると音楽、とやらを嗜んでおりやす。ありゃあ良いですよ、軽快なりずむでつい体が揺れてしまう魔性の音色でしょう。他は矢張り…じゃずなどを時折聞いております。最近は暇潰し程度に音楽しいでいとやらを購入して仕事の合間に流させてもらっているのですがァ、多少の気休め程度にはなりやすよ。』
(首脳でも疲れることがあるんですね、と言ったら彼は少し黙った後に『あっしらは完璧な人外ではございやせん、ただ見た目がちょっと違うだけで他の人間と変わりやせんよ。』と静かな声色で言われた貴方、成程と貴方は納得してまたメモを一つ残していく。メモを書き終えた頃に「自分の見た目で一番好きな箇所などありますか?良ければ教えてください。」と終わりが見えて来た質問をした。)
『改めて聞かれちゃあ返答に困るってもんですねェ!いやはや…、自分の容姿で一番好きな箇所…ですか……。きっとばべるにいた頃は髪の毛だったんでしょうが、今は此の耳の装飾物ですねェ、美しいでしょう?宝石を使用した特注品なんですがァ…あっしでも一体何の宝石を使用したのか分かってなくてですねェ…。』
(本気の困り顔に思わず固まってしまう貴方。首脳の一番好きな箇所はピアスと…、メモに刻まれていく。後もう少しで終わりますよ、と一言挟み「貴方はバベルの塔についてどうお考えでしょうか?」)
『………其方ものおこめんとでよろしくお願いします。』
(珍しく短い返答に動揺が隠せない、椅子越しにふわふわ浮かぶ紫煙の量が心無しか先程よりも多い気がした。「最後です。今居る皆さんに向けて、これから来る仲間達にも何か言いたいことがあればどうぞ。」)
『やあっと最後ですか!ええ、皆さんに向けてのめっせえじですね?良いでしょう、首脳直々に言って差し上げます。
先ずはばべるの皆様方へ、きっと彼方で会う際は皆様方の痛烈な歓迎を受けることでしょう。なにせあっしはあんだあていかあの首脳にして要!そして心臓であります、なのできっと貴方達は何の躊躇いもなくあっしを狙うんでしょうね。あっしは構いませんよォ?あっしに挑む者が居るのならば全員返り討ちにして差し上げましょう、後にも先にもあっしが認めた者でこのあっしを討っていいのは貴方方の頂点である管理者ただ一人だけなので。
そして我が同胞であるあんだあていかあの皆様方、貴方達に此処で、此の世界で出会えた奇跡を心から喜ぼう。
我があんだあていかあは来るもの拒まず、去るもの追わずです。此の戦いに飽き飽きしたのならいつ去っても構いやせん、逆も然り…まだあっしに着いて行くのならば決して後悔はさせません。苦になることは多々あるでしょう、ですが其れを糧に共に歩んで行こうじゃありやせんか!それでも構わない!此の世界を変えるんだ!という御方だけをあっしは…あんだあていかあは受け入れやしょう。
さあさ皆様!これからも魑魅魍魎、有象無象の醜き行進は止まりません!いや、止まることを知りません。きっと止まるとすればそれはァ、世界が崩壊した時、ただ其の時だけなのですから!
其れでは、御後が宜しいようで……』
(貴方の視界は彼の狂気染みた笑みを浮かべた表情を最後に暗転した。)
(どうぞこれからも背後共々首脳「Falsa/ファルサ」を宜しくお願いします。)